2014年4月9日(日本時間)をもってWindows XPのサポートが終了するのは多くの方がご存知かと思いますが、来年7月にはサーバーOSであるWindows Server 2003も延長サポート終了を控えています。
わたしの会社でもIBMの『xSeries 306m』にWindows Server 2003をインストールしてドメインサーバ兼経理関係のファイルサーバとして利用しているため来年度中の移行を前提とした計画を練っていたところですが、年度内の予算消化の兼ね合いなどもあり急遽新しいサーバを調達することが決まり年明け早々にHPのラックマウント型サーバー『HP ProLiant DL320e Gen8 v2』を購入。
主な構成はCPUにXeon E3-1220 v3(3.10GHz)、メモリは4GBx2、1TBの3.5型ハードディスク2台によるRAID。用途からすると随分オーバースペックですが、将来開発用途に転用する可能性もあるので比較的良いものを選んでおきました。
本体以外の付属品は電源ケーブルとラック取付用のレール、ドキュメント関連を収めたメディアとライティングソフト、あとはペラ紙が数枚といたってシンプル。ドライバ類を収めたCD-ROMが見当たらずちょっと焦ったのですが、資料によると必要なファームウェア、ドライバー、ユーティリティ類は全てマザーボード上に実装されているiLOにプリロードされており、POST画面でF10キーを押して呼び出すことができる「Intelligent Provisioning」機能を通してサーバOSを導入する際に自動でインストールされるとのこと。初めて触れる機能なだけに完全には理解出来ていませんが便利そうなことだけは間違いなさそうです。
『HP ProLiant DL320e Gen8 v2』のセットアップ
それではセットアップ作業を開始。今回導入するサーバに関してOSのバージョンに拘りは無かったので「Windows Server 2012」の後継バージョンで昨年リリースされた「Windows Server 2012 R2」を用いることと決めてさっそく取り掛かります。Intelligent Provisioningを呼び出して「構成とインストール」から導入するサーバOSを選択してプロダクトキーを入力後、OSのDVD-ROMをセットしておくだけ。途中でインストールするOSにあわせたドライバ類がiLOから読み込まれて一緒に導入されるのであとは放置しておくだけでOK…のはずが、インストール開始から10分ほどたったところで途中でひたすら再起動を繰り返すようになりあきかに怪しい雰囲気。
気になってHPのウェブサイトを探ってみると「Windows Server 2012 R2 技術情報」なるページに以下の記述を発見、
現行のIntelligent Provisioning 1.50では、Windows Server 2012 R2では対応しておりません。次期バージョンIntelligent Provisioning 1.6でサポート予定しております。
1.6の配信が始まるまでは別途用意された「Microsoft Windows Server 2012 R2 Supplement for HP Service Pack for ProLiant」を使ってインストールするほかないのですが、そのService PackもHPのサーバが遅すぎてダウンロード出来ないようだったのでR2は諦めて無印のWindows Server 2012に方針変更。当然のことながらこちらは現行のIntelligent Provisioningですんなりとインストールすることが出来ました。ふぅ…。
Active Directory移行
念の為旧サーバのバックアップを済ませたらActive Directoryの移行を実施。
AD移行に際しては登録済みのユーザ情報を引き継ぐため、新サーバをドメインコントローラとして一旦既存ドメインにぶら下げて同期を図った後に旧サーバをパージするという方法をとりました。
途中、ドメインやフォレストの機能レベルを変更したり、FSMOの転送やSYSVOL複製方式を切り替えるなどの作業が必要になりますがそれほど難しいものではありません。ネットで検索すれば丁寧な解説がいくらでも出てくるのでにわか管理者の方でも特に迷うことはないでしょう。
移行はお早めに
4月に迫ったXPのサポート切れを目前に控え、ビジネス向けPCに大量の駆け込み需要が発生しているようで納品までにだいぶ時間を要するような状況に陥っています。来年にはサーバでも同様の事態が生じる可能性があるので、サーバ管理者の方は早めに手を打たれることをお薦めします。