この1年ほどジムでの運動やジョギングの際に利用してきたGoogle謹製のBluetoothイヤホン『Pixel Buds A-Series』でしたが、先日ジムから帰る道すがら片方が耳からポロッと外れて水の流れる側溝にダイブ…突然のお別れとなりました。
こうした事態への救済措置としてGoogleでは片側だけの販売もしてくれるようですが、価格を見ると1万円弱。その値段だったら新しいの買うわ…ということで、『Pixel 9a』購入で付与されたストアクレジットを活用して上位モデル『Pixel Buds Pro 2』を購入。
結論から言うと、音質、機能性、信頼性そして価格…これらのバランスを考えた時に、現状この商品がもっとも理想的な選択肢だと感じています。A-Seriesから大幅にグレードアップした機能と使い心地を以下にまとめておきます。
開封&セットアップ
A-Seriesのものよりも若干コンパクトなパッケージをさっそく開封。
パッケージ内容はイヤホン本体とそれを収めた状態の充電ケース、さらには4種のサイズの異なる交換用イヤーチップに小冊子(クイックスタートガイド)。充電に用いるケーブルなどは付属しないため、別途用意する必要があります。
充電ケースの蓋を開けてイヤホン本体を確認。Buds Pro 2は4色展開ですが今回は「Hazel」を選択。
「Hazel」(ヘーゼル)というと一般的には濃いブラウンを指しますが、この製品に関しては普通にグレーです。色名と実際の色にはやや違和感があるものの、落ち着いた見た目は好印象です。
イヤホン本体はA-Seriesに比べ格段にコンパクト。ハウジング部が大胆に小型化しているだけでなく、耳に固定するためのアーチ形状も洗練されてよりスマートな印象です。その小ささに加えて凹凸の少ないデザインということもあり、指先が乾燥しているとケースからの出し入れに苦戦すること必至…屋外で扱う際は落としたりしないよう注意した方が良いかもしれません。
Pixel端末ならセットアップは簡単。イヤホンをケースから取り出すだけで自動認識して接続ガイダンスが表示されます。あとは画面の指示に従って初期設定を完了させるだけ。
設定後は端末のドロワーに表示される「Pixel Buds」アプリから自分好みに音質や操作方法のカスタマイズが可能。必要に応じてファームウェアの更新まで行っておくと安心です。
使い勝手と音質
まずは装着感。ハウジング部の小型化とアーチ形状の見直しによりA-Seriesより耳への収まりが改善、長時間の使用でも疲れにくくなるとともに運動中でもよりズレにくくなりました。
同梱される4サイズのイヤーチップから自分の耳に最適なものを選べるのも嬉しいポイント。「Pixel Buds」アプリ内の「イヤーチップのフィット感の確認」機能を使えば、適切なサイズを選ぶ手助けになります。
このテストでは音漏れやノイズキャンセリングの効果を最大化できる最適なサイズを教えてくれます。初期状態で装着されているMサイズのイヤーチップは日本人には少し大きすぎるように感じたので、違和感を感じたらSサイズなどに変えて再度テストしてみると幸せになれるかもしれません。
続いて音質面。A-Seriesと比較すると、全体的な解像度が向上し低音から高音までバランスよく再生されます。特に低音域の表現力が格段に向上していて、ベースの効いた楽曲でもクリアなサウンドを楽しめる点は好印象です。
機能面ではアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能の搭載が最大のポイント。Pro 2に搭載されたANCは予想以上に効果的で、周囲の騒音をしっかりと遮断してくれます。
A-Seriesではジム内で流れるBGMの音量に負けないようボリュームを上げて聴く必要がありましたが、Pro 2ではそんな心配もなく、適切な音量で音楽を楽しめるようになりました。これは耳への負担を減らすという健康面でも大きなメリット。
電車内でアナウンスを聞きたい時や、レジ等で一時的に会話をしたい場合にわざわざイヤホンを外さなくて済む「外部音取り込み」モードもなかなか優秀。同様の機能は以前使用していた『AONIC 215, Gen2 完全ワイヤレス高遮音性イヤホン(第2世代)』にも搭載されていましたが、Pro 2のそれは別格。ノイズも控え目で実用性は群を抜いています。
また、充電ケースはUSB-C端子による有線充電に加え、Qi規格に基づいたワイヤレス充電にも対応。スマートフォンと一緒にワイヤレス充電パッドに置いておけるのは地味ながら便利な機能です。
まとめ
定価で36,800円と幾分高価な『Pixel Buds Pro 2』ですが、音質や機能面を考慮すると価格以上の価値を実感できる優れたアイテムです。Pixel端末とのシームレスな接続性に加え、Geminiとの連携などGoogleのエコシステムの中に生きるユーザにとっては最良の選択肢と言えるでしょう。
ANC対応イヤホンにはこれまであまり良い印象を持っていなかったのですが、それもこのイヤホンを通じて払拭。A-Seriesと同様落として紛失…などということにならないよう気をつけつつ、長く愛用していこうと思います。