快適な履き心地とフィット感に加えデザイン性の高さもあって人気が高くわたしも長年愛用しているMERRELL(メレル)の靴。アウトドアシューズの専業ブランドというだけあって機能性に優れた商品が多い同ブランドにあって、”黒歴史”とまで言われているのが「カメレオン」シリーズ。
デザイン性にも拘った同シューズが採用したソールがかねてより「グリップ力が無くウェットの路面では危なくて履けない」と酷評されていたこともありわたしも同シリーズには手を出さずにいたのですが、一昨年には新ソールを採用した後継モデル「カメレオン 5」が登場。ネット上では「相変わらず滑る」という意見も散見さますが、ちょうど低山用にローカットの靴を探していたところでもあったので人柱覚悟で『CHAMELEON 5 STORM GORE-TEX』を購入してみました。
今回入手したのは全体が黒で統一された「ニューブラック」でサイズは27.5cm(US 9.5インチ)。普段は26.5cmか27.0cmの靴を履いているのですが、履き心地よ良くするためか生地の中綿が厚く圧迫感を感じたのでこのサイズを選択。足の形によっては1cm上を選んだ方がしっくりくる人も居るかもしれません。
アッパーはメッシュ地で柔らかめなのでガレ場歩きには不向きですが、ゴアテックスの透湿性を阻害することなく快適さを維持してくれそう。ただし、手入れは大変そうですね…(苦笑)。
気になるソールは前モデルと同じビブラム製。「カメレオン2」では楕円のブロックが隙間なく並んでいただけでしたが、「カメレオン5」ではやや凝ったデザインに変更されています。
で、実際にしばらく履き慣らしてみての感想ですが…言うほど滑りはしません。形状からしてエッジを効かせられないので岩場では多少注意を払う必要がありそうですが、普通に野山を歩いている限りグリップ不足を感じることはありません。
じゃ、「滑る」って一体なんだったのさ…と思いネット上のレビューを見なおしてみると、その多くが「濡れたアスファルトの上で滑る」「ビルのエントランスのタイルや大理石で滑った」などと言うもの。まぁ、この靴のソールに見られるラグ(ブロック)の深さとゴムの固さはほぼ登山靴仕様なのでアスファルトなど硬い路面の上では点で接しているだけの状態でしかなく…そりゃ滑るでしょうね。そもそもそういうシチュエーションを想定した靴じゃありません。
あくまで軽登山やトレイル向きのアウトドアシューズであって、普段履きのスニーカー代わりには成り得ないということをメーカーや販売店が周知しきれないまま外見先行で中途半端に人気が出てしまったことがカメレオンシリーズの不幸の始まりだったのかもしれませんが…『CHAMELEON 5 STORM GORE-TEX』は普通に山を歩く分には決して悪くない靴だと思いますよ。(「カメレオン2」は知らない。笑)