現行インプレッサ(GJ/GP)のエンジンは静かで振動も少なく、普段乗るぶんには申し分のない車です。ところが2.0i-Sグレードは偏平率50のタイヤが標準採用されていることもあり、速度を上げるとロードノイズが目立ち、後部座席の人との会話がままならなくなることがあります。
これは装着するタイヤに起因する部分も大きいのですが、最近の車は軽量化とコスト削減の影響で、天井パネルに薄い鋼板を用いたり、防音材を減らしたりするケースが多いのも事実。そうした要素が積み重なって、車内の騒々しさにつながっているように感じます。
そこで静音化を図り、少しでもストレスを軽減しようというのが、ここでの趣旨です。
騒音対策は闇雲に手を出しても、手間のわりに効果を実感できないことも少なくありません。このページでは、実際に試した静音化作業を使った材料、手順、体感の変化、やっておけばよかった点までを記録として残していきます。
天井
続いて降雨時に雨粒がバタバタとルーフを叩く音も耳障りな天井パネルへの対策としてリアシート下にも利用した制振材のレジェトレックスを用意。また、ピラーを伝ってきたロードノイズが天井周りで反響・共振して騒々しさを増幅させているようなのでこちらへの対処としてエーモンの『音楽計画 フロア用吸音材』(=シンサレート)も使用します。
作業にあたっては天井の内張りを剥がさなければなりませんが、完全に取り外してしまうと元に戻すのが大変なので今回はCピラーを覆うカバーと左右のアシストグリップ、天井後端にある3箇所のクリップのみ外して片手が入る程度の隙間を確保して作業します。(結構大変な作業だったため、途中、写真を撮るのをすっかり忘れてました…。)
なお、アシストグリップを取り外す際は根本のプラスチック製カバー内側に付いたクリップを折らないよう注意しましょう。わたしは折って新しい部品を取り寄せるハメになりました。カバーなんてせいぜい数百円程度だろうと思っていたのですが、生憎カバーだけの販売は無いらしくアシストグリップを丸ごと購入しなければならず価格は3,564円。

地味に痛い出費です。また、天井内張りにはグラスウールが使用されているので長袖+手袋着用で作業しましょう。素手でやるとしばらくチクチクに悩まされます。
内張りをめくった隙間から片手を突っ込んであらかじめ20cm四方ほどの大きさにカットしておいたレジェトレックスを天井パネルに貼り付けていきます。レジェトレックスには粘着性の高いプチルゴムが塗布されているのでそのままでもしっかりくっつきますが、心配性な方は軽く脱脂してから貼ると良いでしょう。
レジェトレックスはある程度の間隔で数枚貼り付ければ十分。貼り終えたらシンサレートを広げ内張りで挟み込むようにして内装を元に戻せば作業終了。
こちらの施工の効果は…覿面。ロードノイズや雨粒が天井を叩く音が大幅に抑制され、これまで気にならなかった風切り音やガラス面を打つ雨音の方が耳につくようになるほど。高速道路を走行中に後部座席に座る人との会話も苦にならなくなるなど効果の程をはっきり実感することが出来ます。
シンサレートを用いることで断熱性能も高まり夏・冬のエアコンの効きも改善するので、予算の都合で施工箇所が限定されるのであれば、天井側にのみ手を入れる方が費用対効果も高く満足出来ると思います。
(施工時期: 2016年9月)
助手席アンダーカバー取付による静音化
助手席足元で一部丸見えになっているケーブル類を隠蔽しつつ、ロードノイズやバルクヘッドからの騒音を低減する目的で、基本構造が同じGP型のXVハイブリッドやVM型レヴォーグなどで採用されている『SUBARU 純正部品 アンダー,カバー アセンブリ パツセンジヤ』(品番 66066FJ000)を流用。別途『SUBARU 純正部品 クリップ』(品番 99045-AE020-JC)を2個用意してあげればポン付け可能です。

カバーは比較的大きめで裏側には一部シンサレートが貼られていましたが、どうせなら…と制振用のレジェトレックスと手持ちのシンサレートを追加してから自車に取り付け。事前に発煙筒を外しておくと作業は楽です。

部品価格も3,000円に満たないことからGP/GJ乗りの定番カスタムとなっていますが、効果は覿面。もっと早くに導入しておくべきでした。
(施工時期: 2023年6月)
後部座席の座面下
まずはリアシートの座面の取り外しから。
ひと昔前の車両だとボルトやナットをいくつも外して…と大変なイメージがありますが、現行インプレッサを含む最近の車両はメンテナンスやリサイクル時の手間を考慮してはめ込み式のロックで固定されているだけといったケースが多く簡単に取り外せます。

座面下をまさぐって写真赤丸あたりにある左右2か所のフックを引っ張るとロックが外れ前方が浮き上がるので、そのまま持ち上げれば後方の爪に引っ掛けてあるフックも外れフリーな状態になります。この構造はG4もスポーツも同じ。

折角の機会なので外したシートはしっかり叩いてゴミや埃を落としておきましょう。
シート下は一部にアスファルトシートが貼られているものの鉄板剥き出しの部分も多く手の入れ甲斐もあろうというもの。
今回後部座席下の静音化のために用意した材料は制振材『レジェトレックス』とエーモンの『音楽計画 フロア用吸音材』、同じくエーモンの『静音計画 ロードノイズ低減マット(L)』の3種類。

いずれも手頃な価格で入手性も良いのでオススメです。
まずは金属部分をノックしながら音の響く部分を中心にレジェトレックスを貼っていきます。レジェトレックスは8~10cm幅の短冊状にあらかじめカットしておくと作業しやすいと思います。

レジェトレックスはアルミの金属層に粘着性の強いブチルゴムが塗布された非常に使い勝手の良い制振シートですが、気温が高いとブチルゴムが柔らかくなり手や服に付着してしまいがちなので夏場に作業する際は取り扱いに注意。また、後から剥がすのは大変なので後々の修理や整備のことを考えてネジやボルト、ケーブルなどには被らないよう気をつけましょう。
続けて高機能吸音断熱素材として知られる「シンサレート」を敷設。

自動車の内装及び準外装用途において幅広い採用実績のあるシンサレートですが、ホームセンター等では販売されてはいないようなので今回はエーモンがパッケージ販売している物を利用します。
その上から遮音を目的としたロードノイズ低減マットを被せます。同製品はゴム状の熱可塑性エラストマーに不織布の吸音材を貼り合わせたもので、黒い面が車内側を向くように敷きます。

今回購入したLサイズのロードノイズ低減マットは480x1300mmほどあり少しばかり大きすぎるかと思っていましたが、実際に敷いてみるとインプレッサの後部座席にピッタリでカットは不要でした。リアシートの座面で挟み込む形となるのでズレ防止のためにテープ等で固定する必要もありません。
取り外した時とは逆の手順でリアシートを元に戻して作業は完了。

施工後さっそく近所を一回りしてきましたが、後方から聞こえる雑音は格段に小さくなっておりその効果の程に驚き。フロントからのロードノイズが大きいので運転席に座っていると若干分かりにくいかもしれませが、後部座席に移動すると違いが良く分かると思います。
なお、自分も試してみたいけどあれこれ揃えるのが面倒…という方はロードノイズ低減マットだけでもそれなりに効果が実感出来ると思うのでお試しあれ。
(施工時期: 2016年6月)
後部座席の足元
後部座席周りにより一層の静音化を望むのとあらば、フロアを含む足元部分にまで手を入れる必要があります。ただし、難易度は少々上がります。
作業はリアシートの座面を外した状態からスタート。まずは座面を固定するため左右2箇所に取り付けられている白いフック部品を取り外す必要があるのですが、これが最初にして最大の難関。この部品はもともと取り外しを考慮した作りになっておらず押しても引いてもビクともしないため、ペンチ等で破壊して取り外さなければなりません。この部品の品名・型番は『スバル純正 フック,リヤ クッション(品番:64333FJ000)』で1個200円ほど。

あらかじめ替えを準備してから作業にかかるようにしてください。
無事フック部品が外せたら、前後のサイドシルカバーとBピラー下部のカバーも取り外し。ここまでやるとフロアカーペットをある程度めくることが可能になるのでここに静音対策を施していきます。
用意したのは2015年式以降のインプレッサで標準採用されているフロア敷設用の『スバル純正 サイレンサ,リヤ フロア(品番:90713FJ040)』と座面下の対策でも利用したレジェトレックス&ロードノイズ低減マット。フロアカーペット下の車台部分は強度を保つため結構凸凹しているので、形状にあわせて柔軟に変形するサイレンサの使用が必須。

レジェトレックスとロードノイズ低減マットは主に側面部分に利用すればOK。
座面下の対応と違って、こちらは運転席に座っていても効果を実感可能です。
(施工時期: 2023年8月)
トランクルーム
リアシート裏や天井裏は施工後は基本誰の目に触れることが無いので派手な銀色のレジェトレックスも臆することなく貼付出来ましたが、トランクルーム回りはマットを捲ったりすれば目に触れる場所でもあるので黒で比較的目立ちにくい『オトナシート』を活用することにします。
制振効果だけ見ればレジェトレックスの方が確実に優れていますが、アスファル系のオトナシートはそれ自体がある程度の防音性を有しているので吸音・遮音材の併用が難しい場所での利用には重宝します。
まずはスペアタイヤ収納部の底と側面に大きくペタっと。

トランクルーム側面の内装を取り払って後輪タイヤハウスの内側にあたる部分にも。

トランクの天井面も金属パーツが剥き出しなのでボルト類に干渉しない程度にカットして貼付けておきました。

オトナシートは粘着力がそれほど強くないので自重や走行中の振動で剥がれないようしっかり圧着しておきましょう。
先の2つの対策に比べこちらはロードノイズの対策としては効果が薄いのですが、降雨時跳ね上げた水が車体を打つ「バシャーっ」という音が大きく低減し安心感が高まります。これはこれで悪くありません。
また、トランク開閉時のナンバープレート周りのビビリ音が気になる場合はレジェトレックスとオトナシートをトランクリッド(トランクドア)の内装裏に貼っておくと良いです。これによりトランクを閉める際の音が従来の「バイ~ン」という安っぽいものから「ボフっ」という重厚感のある音に様変わり。一気に高級感が増したような感じになります。
(施工時期: 2016年6月)
ドア内張り
インプレッサは、外部の騒音がドア内部と内張りの間で反響しそのまま車内に回り込んでくるので、ここを抑えると静音化にかなり効きます。
内張りを剥がすのに特別な工具は不要。下側に指を掛けられる部分があるので、そこから手前に引いてクリップを順に外していきます。すべて外れたら内張りを上方向に軽く持ち上げて取り外し、ドアオープンワイヤーと各種コネクタを外せばフリーになります。
内張りの裏側を脱脂したら、平面部を中心にレジェトレックスを貼って制振。続いて、純正のニードルフェルト裏やその周辺を中心にエプトシーラーを広めに貼り付けます。

わたしの場合、運転席・助手席の内張りそれぞれに10mm厚のエプトシーラーを500x500mmほど使用。写真の後部座席の内張りにも同程度を使用しました。
施工後は対向車の走行音がはっきり減り、車内が落ち着きます。副次的にオーディオも聴きやすくなり、これまでロードノイズに埋もれていた低音もきちんと識別できるようになります。
なお、ここには過去にシンサレートを張り付けていたのですが、その際はほとんど効果を感じられませんでした。吸音と防音双方の効果を併せ持つエプトシーラーの方がオススメです。
(施工時期: 2025年12月)