地上アナログテレビ放送の停波に伴って空いたVHF-Low周波数帯(99MHz~108MHz)を活用すべく2016年3月にスタートした新放送サービス『i-dio』(アイディオ)。
昨今マスメディア離れが顕著になっていることに加え、同様にアナログ停波で生じた空帯域を利用するドコモ主導の『NOTTV』が6月で早々にサービス終了となったこともありその先行きを不安視する人も少なくないと思われますが、i-dio側もそうした波に飲まれまいと専用チューナー『Wi-Fi Tuner TUVL01』を数万台規模でモニター配布するなど積極的な投資を図っています。
そんなi-dioの専用チューナーをわたしも入手し3ヶ月ほど使ってみたのですが、突っ込みどころの多いことと言ったら…。
- 専用アプリが無駄に重く不安定。完成度が低すぎる。(バージョン2.0以降で幾分マシになりましたが…)
- チューナーが頻繁に認識されなくなる。
- 音質はそれほど悪くないが内容が従来のラジオやデータ放送の焼き直しにすぎず貧弱すぎる。
- 「テレビでもラジオでもない、第3の無料放送サービス」を謳い文句にしているが、ただのどっちつかずで独自性が皆無。
- バージョンアップによりチューナーがなくてもインターネット経由での受信が可能になったが、それをやるのであれば最初からVHF-Low帯なんて必要なかったのでは?「電波の有効活用」を目的にアナログ停波で確保された帯域を利用して始まったサービスであるが、とても有効活用されているようには見えない。
「電波の有効活用」を口実に強行した地デジ化を正当化するためのお役所の言い訳作りであったり、一度は頓挫した国内のデジタルラジオ放送に代わる伝送手段と考える放送事業者の思惑から始まったサービスでもあるせいか利用者不在で事が進んでいる感が拭えません。
それなりの企業が出資しているのでしばらくの間はそれなりの体裁を取り繕いながらサービスが継続されていくとは思いますが、現状を見る限り長くは続きそうにないなぁ…。