『Nikon D300S』と同時購入し6年近く使い込んできた標準ズームレンズ『AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR』のAF駆動音が最近騒がしくなりピントのズレも顕著に表れるようになったので修理に出すことも考えたのですが、結構な見積り価格を提示されたのでそれなら買い替えた方がマシ…と思い問題の16-85をドナドナ。
これに代わる新たな標準ズームとしてDX専用としては初のナノクリ採用レンズ『AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR』を購入しました!!
ナノクリ且つF2.8始まりというスペックに加え発売開始から1年半ほどと日が浅いこともあり10万円超のなかなか大人っぽいお値段でしたが、16-85が思ったより高く買い取ってもらえたこととキャッシュバックのおかげで長期保証付きながら実質7万円弱で入手することが出来ました。
ちなみに16-80と16-85のスペックの違いは以下の通り。
AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR | AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR | |
---|---|---|
型式 | ニコンFマウントCPU内蔵Eタイプ、AF-S DXレンズ | ニコンFマウントCPU内蔵Gタイプ、AF-S DXズームレンズ |
焦点距離 | 16mm-80mm (35mm換算:24mm-120mm) | 16mm-85mm (35mm換算:24mm-127.5mm) |
最大口径比 | 1:2.8-4 | 1:3.5-5.6 |
レンズ構成 | 13群17枚(EDレンズ4枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり、フッ素コートあり) | 11群17枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ2枚) |
手ブレ補正効果 | 4.0段 | 3.5段 |
最短撮影距離 | 0.35m(ズーム全域) | 0.38m(ズーム全域) |
絞り方式 | 電磁絞りによる自動絞り | 自動絞り |
アタッチメントサイズ | 72mm | 67mm |
寸法 | 約80mm(最大径)× 85.5mm | 約72mm(最大径)× 85mm |
質量 | 約480g | 約485g |
発売年月 | 2015年 7月 | 2008年 2月 |
希望小売価格 | ¥135,000 (税込) | ¥110,700 (税込) |
D3/D300のスペックに見合う標準ズームとして2008年に鳴り物入りで登場した16-85の上位モデルとしてリリースされたのが16-80。DX専用レンズとしては初採用となる技術も惜しみなく注がれた新たなDX機向けフラッグシップレンズと位置づけられていますが、その実力やいかに。
『AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR』開封
高揚感を煽る金色のパッケージを開封し内容物を確認。
レンズ本体のほか付属品は取扱説明書とバヨネットフード『HB-75』、レンズに装着され状態のレンズキャップ『LC-72』及び裏ぶた『LF-4』で全て。
あれ?何か物足りない…と思ったら、以前は大半のレンズに付属していたソフトケース(ポーチ)が最近は省かれるようになった模様。収益減少の煽りを受けたニコンによるコストダウン策の一環と思われますが、大半の人は使っていないでしょうからあまり影響はないはず。
レンズ本体は16-85と同じ金属+プラスチック製の鏡胴に焼き付け風の塗装が施された高級感のある質感。ナノクリ対応を示す「N」マークと上級レンズに与えられる金帯が目を引きます。
16-85に比べパッと見で全長が短くなったように感じますが、それは鏡胴が太くなったことによる目の錯覚。実際には僅かに長くなっていますが、重量は5g減。
側面のスイッチ。
裏の刻印に拠ると生産国はタイ。
日本製でないことをやたらと気にされる方もいらっしゃいますが、人員削減など足元不安定な国内で製造されたものより先進の加工機器が惜しみなく投入されたタイ工場で作られたものの方が個人的には安心…って思うのはわたしだけ?
D300Sへの装着
今回購入した16-80は絞りの制御を電気的に行う最新の「Eタイプレンズ」なのでフィルムカメラや7~8年以上前の古いデジイチとの組み合わせでは動作しません。以下、ニコンのウェブサイトより転載。
- デジタル一眼レフカメラのD2シリーズ、D1シリーズ、D200、D100、D90、D80、D70S、D70、D60、D50、D40X、D40、D3000とフィルム一眼レフカメラではEタイプレンズを使用できません。
- D4、D3X、D3S、D3、D800、D800E、D700、D600、D300S、D300、D7000は最新版のファームウェアにバージョンアップしてからお使いください。Eタイプレンズに対応しているファームウェアは、下記のバージョン以降となります。
・D4:A:Ver.1.05 / B:Ver.1.03
・D3X:A:Ver.1.01 / B:Ver.1.02
・D3S:A:Ver.1.02 / B:Ver.1.02
・D3:A:Ver.2.03 / B:Ver.2.03
・D800/D800E:A:Ver.1.01 / B:Ver.1.02
・D700:A:Ver.1.04 / B:Ver.1.03
・D600:C:Ver.1.01
・D300S:A:Ver.1.02 / B:Ver.1.02
・D300:A:Ver.1.11 / B:Ver.1.11
・D7000:A:Ver.1.03 / B:Ver.1.04
うちのD300Sはファームウェア1.02(A/B共)以降での対応が謳われているのでメニューより確認しておきます。
D300Sに装着した際のバランスはなかなか良い感じ。
レンズ径が上がったことで自ずと鏡胴も太くなりましたが、このくらいの方がホールドしやすく個人的には好みです。
ただし、付属の巨大な角型レンズフードを取り付けると一気に無骨な印象に変化。
ロック機構付きなので簡単に外れることはありませんし、開口部が大きいためPLフィルタ使用時に前枠を回しやすそうなのは結構なんですが正直テレビカメラのようで見た目はイマイチ。無駄に嵩張ってカメラバッグの中で場所も占有するため、従来の丸形フードで代用出来そうなものがあればそちらに交換するのもアリかもしれません。
使用感と感想
AFの速度は16-85とさほど変わらず可もなく不可もなくといったところですが、レンズが明るくなったことと手ブレ補正効果が大きくなったことにより屋内でもあまり感度を上げず手持ちで撮影出来るシーンが増え使い勝手は格段に向上。D300SはISO400でも暗部ノイズが気になるのでこれだけでも十分な恩恵を感じます。
試用時間が短いので今日のところは作例を省きますが、強い光の下でもクリアで高いコントラストを維持するあたりさすがはナノクリと感心しきり。開放時の周辺減光はある程度見受けられるものの甘さは感じられず風景写真で多用するF8~F11前後ではとりわけキレの良い冴えた写りとなる傾向にあるようなので山での撮影も非常に楽しみ。
DX専用レンズの相場からして決して安い製品ではありませんが、これだけの写りを見せられれば十分納得。16-85との価格差を考えても敢えてこちらを選ばない理由はありません。お薦めですよ!!
最後に。16-80の購入により大三元の一角を成す望遠レンズ『Nikon AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II』との2本体制となりましたが、どちらも良いレンズだけにD300Sの解像感の物足りなさが余計に際立つ結果に…。どこかに『Nikon D500』が落ちてないかな(笑)