登山道の「合目」の意味

以前携わっていたアウトドア情報サイトの閉鎖に伴い、寄稿していた記事の中から人気の高かったものをこちらにバックアップしておくことにします。

登山道の「○合目」って?

登山道で見かける「○合目」という表記。通常、一合目からはじまって二、三、四…と続き山頂が十合目というわけですが、これってどのような根拠で付けられているかかご存知ですか?

登山道の「合目」の意味

そもそも山道に対して「合」という単位が用いられるようになったのは富士山が最初のよう。一説によるとその昔富士山を登る際足元を照らした提灯に必要な油が1合(180ml)燃え尽きる毎に道程を区切ったのが起源だとか。(諸説あり)

現在では多くの山で「○合目」という表記が用いられている訳ですが、実のところこれには正式な定義・規定はありません。登山道の距離を10分割したものとするか、標高を10分割したものとするのかは山や地域によって基準が異なるようです。


おまけにこの10分割というのがかなりの曲者で、測量を行って正しく等分された山というのはほとんど例がありません。実際にはその山に関わる歴史や登山者の感覚などから自然と定着していったケースがほとんど。そのため、登山者の元気がある麓の方では1合毎の距離が長く、疲労を感じ足取りの重くなる中腹より上では明らかに1合毎の距離が短くなっているといった山も多く見受けられますし、中には展望が開けていて休憩の取りやすい場所を○合目と先に決めてしまい残りは適当に振ったとしか思えないような山もあります。

少し変わったケースもご紹介しておきましょう。磐梯朝日国立公園にある磐梯山の山頂は五合目。これは標高が富士山の五合目の高さに相当することに起因するようです。

また、富士山では「七合目」や「八合目」とは別に「新七合目」や「本八合目」といったものを目にします。これは戦前からの様々経緯に加え、自動車道の延伸・整備に伴いその終点を新たな五合目としたことなどに伴う辻褄合わせの結果。現地でも混乱されていらっしゃる方は少なくありません。

こうした表記はひとつの目安と捉えて数字にはあまり神経質にならず、山の個性のひとつとして楽しみましょう。

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