7年近く愛用してきた『Nikon D300S』に別れを告げ、新たなDXフォーマットのフラッグシップ一眼レフ『Nikon D500』を購入。
D300Sには愛着もありましたがメーカーの補修部品保持期限が迫っており今後シャッターユニットなどの調達・交換が難しくなることが予想されるため手放すことを決意。専用の縦位置グリップ『マルチパワーバッテリーパック MB-D10』とともにドナドナし、買い替えの原資となることで最後の務めを終えました。
買い替えにあたってはFXフォーマット機への乗り換えも検討したのですが、ニコンにはレンズマウントを近々一新するとの噂があり今からフルサイズに投資するのは分が悪そうなこと、さらに自分の撮影スタイルや被写体からして多少なりとも軽量で画角を稼げるDXフォ―マット機の方が適しているだろうと判断に至りました。
購入したのは地元のキタムラ。実を言うと先にNTT系の某通販サイトで購入したのですが、開梱・使用済みの痕跡が見つかり付属品も一部欠けた状態だったので即返品。同じ轍を踏まないようキタムラで現品をしっかりチェックさせてもらったうえでようやくわたしの手元に。
本体価格は延長保証込みで約20万円。決して安くはありませんが、DXフォ―マットな一眼レフの最終形態とも賞されるスペックを考えれば妥当な金額だと思います。
なお、専用の縦位置グリップ『マルチパワーバッテリーパック MB-D17』も同時入手。
まとまった出費で懐は寒くなりましたが、テンションはアゲアゲです。
長く付き合える銘機の予感
昨年春の発売直後から何度も店頭でチェックしていましたが、D300Sに比べ80gほど軽くなった本体重量とグリップ形状の見直しによるホールド感の向上に改めて感心。
さすがに「カメラは重たい方が手ブレしなくて良い!!」なんて強がりも言ってられない年齢に達しつつあるので、少しでも軽いにこしたことはありません。
ファインダーは丸型。ニコンは昔からプロ機以上にのみ丸型を採用しており一種のステータス的な感じになってますが、個人的には角型でも丸型でも普段使う上では大して変わりないような気がしないでもありません。ただ、丸型には接眼目当てのゴムが外れにくかったり、アイピースシャッター内蔵でワンタッチで逆入光を防げるなどのメリットもありその辺りはアクティブ派な自分にとってありがたい仕様。
ファインダー倍率はD300Sの0.94倍(35mm換算で0.62)に対しD500は1.0倍(35mm換算で0.66)。数字上は僅かな差ですがファインダーを覗くと違いは明らか。これでも物足りないというのなら、ファインダー像をさらに1.2倍拡大する『Nikon マグニファイングアイピース DK-17M』が使用可能。これぞ
丸型ファインダー採用の恩恵だと思います。
なお、背面の液晶画面はバリアングル対応になったためプラスチックの液晶モニターカバーなどが使用できなくなっています。細かな傷への耐性は強いそうですが、この後『ハクバ Nikon D500 専用 液晶保護フィルム MarkII』を念のために貼付しておきました。
その他各部のアップも少し。
本体付属の『Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL15』は充電中だったので、写真に映っているグレーの電池は事前に入手しておいた予備電池になります。
常用レンズとして使うのは昨年暮れに買ったナノクリ採用の標準ズーム『AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR』。
結局D500を買うことになるんだったら、同レンズがセットになったレンズキット買ってた方がお得だったんじゃ…というご意見は断固スルーします。(笑)
こちらは付属の充電器『バッテリーチャージャー MH-25a』。
充電器のみ個別に購入するとケーブルが付いてくるようですが、D500には直付け型の電源プラグだけが付属します。個人的にはいっそ直付けだけと割り切ってもらってプラグを折りたたみ可能にしてもらった方が嬉しいくらいですが、持ち運び時にケーブルが邪魔にならなくなっただけでも万々歳。
マルチパワーバッテリーパック MB-D17
本体と同時購入したニコン純正のD500専用縦位置グリップ『マルチパワーバッテリーパック MB-D17』。
この手のアイテムは比較的割高で昔から巧妙な偽物や勝手互換品が出回りやすいので、これから購入される方は必ず信頼のおけるお店を利用するようにしましょう。安さに釣られてそれらに手を出すと、最悪カメラが壊れて修理代の方が高くつくハメになります。特にAmazon.co.jpのマーケットプレイスで出品している業者には要注意…と知人も申しておりました。
MB-D17本体に加え、EN-EL15用ホルダ、単三電池用ホルダ、ホルダケースと取説類が付属しています。
『Nikon D300S』と併せて所持していた『マルチパワーバッテリーパック MB-D10』との一番の違いはシャッターボタンの脇にFnボタンが追加された点で、D500側から露出補正を含む任意の機能を割り当てることが出来るようになりました。
D300S+MB-D10では縦位置で露出補正が行えなかったためスナップ撮影時に不便な思いをしていましたが、そうした呪縛からようやく解放されそうです。
D500とMB-D17をジョイントさせるとこんな感じ。
相変わらず仰々しい見た目ですが、手にしてみると意外に軽量。それもそのはず、バッテリーや付属品を省いた状態での質量がD300S(840g)+MB-D10(290g)で計1,130gほどあったのに対し、D500(760g)+MB-D17(275g)は1,035gほどしかありません。わずか100gほどの違いとはいえ、長時間携行すると蓄積する疲労も大きく違ってます。首や肩に爆弾を抱えるわたしからするとホントに大助かりです。
Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL15a
ニコンの一眼レフはバッテリー持ちが良いのですが、山行や旅行に行くときは予備の電池がないと不安なので事前入手しておきました。
D500に付属する電池は『Nikon Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL15』ですが、放電特性の変更や発熱による回収騒ぎなどを経て現在では廃番となっており現在入手可能なのは『Nikon Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL15a』。(現在販売中のD500に付属するEN-EL15は不具合対応済みで、実質EN-EL15aと同等です。)
容量など基本性能に違いはありませんが、外装色はEN-EL15の黒に対し新型のEN-EL15aはグレー。二つとも同じ色だと、電池交換時に「今取り出したのどっちだっけ?」てなことになるのでこれはこれで便利かも。
周辺機器の見直しが迫られる点には注意
D300/D300Sから相対的な格上げが図られたD500はプロ~ハイアマチュア志向が強まり、DXフォーマットの純然たるフラッグシップ機として丸窓ファインダーが採用された以外に内蔵ストロボも廃止されました。
このクラスのカメラを持っていながら内蔵ストロボでフラッシュ撮影したい…なんて人も居ないでしょうからそれはそれで構わないのですが、唯一困るのが外部スピードライトをリモート発光させるためのコマンダー機能が利用出来なくなる点。
ニコンのスピードライトで初めて電波制御に対応した新製品『スピードライト SB-5000』を使えば従来と同様にリモート発光出来ますが、現時点で6万円超とさすがにちとお高い…。現在所有している『スピードライト SB-700』でやり繰りするには『TTL調光コード SC-28』あたりを使うほかありませんが、無論ワイヤレスでは無くなります。う~ん。
メモリーカードの変更も影響が出てくる点のひとつ。D300Sはコンパクトフラッシュ+SDカードでしたがD500はXQD+SDカード。コンパクトフラッシュとXQDは物理的も互換性が無いので買い替える以外にありません。SDカードは基本的に下位互換が保たれているので古いものであっても使用可能ですが、D500の連射性能を活かすのであればそれなりの転送速度を備えた最新のものでないと辛そうです。
さらには有効画素数が2088万画素と高精細になったことでRAW現像を行うPCにもそれなりのスペックが要求されるようになるので、場合によってはこちらの環境も見直しが必要になりそう。
デジタルカメラの買い替えにあたってはそれに付随する出費がそれなりに大きくなるので注意しましょう。
まとめ
まだ数日使ってみただけですが、これは反則だろ…と感じるほどのオートフォーカス性能や測光精度の向上などD500の素性の良さにすっかり魅了されています。
既に沢山のレビュー記事が溢れているのでここではこれ以上の言及を控えますが、D300Sと同様に長いスパンで付き合えるバディになってくれそうです!