スマートスピーカーの本命と目されている「Amazon Echo」シリーズがようやく日本上陸を果たしました。
供給量の問題などから現時点では招待制という形がとられており誰もがすぐに入手出来るわけではありませんが、スマートスピーカーの先駆け的な存在であるEchoシリーズの登場で市場がより活気づいていくことは間違いないでしょう。
国内発表直後に申し込みをしていたわたしの元にも先日『Echo Dot』の招待が届いていたので迷わず注文。さっそく手元に届いたので軽くレビューしておくことにします。
開梱&起動
今回入手したAmazon『Echo Dot』。
プライム会員であれば2,000円引きで3,980円で購入可能。素人目に見ても原価割れは明らかで、一気呵成にシェア拡大を図るいかにもアメリカ企業らしい戦略には感心するばかりです。
エントリー向けとされている小型のEcho Dotですが、ベーシックモデル『Echo』との違いは実質音響性能(スピーカー)のみ。同シリーズに搭載される音声アシスタント「Alexa」(アレクサ)がこなせる処理に違いはないので、そこに価値を見いだせるかどうかがモデル選定のポイント。このあたりは『Google Home』と『Google Home Mini』の関係性と同様。
パッケージの中身はEcho Dot本体、USB-ACアダプタ、USBケーブルとスタートガイド等の冊子類。
ファブリック生地をあしらうことでカジュアルさを演出したGoogle Home Miniとは異なり、Echo Dotは無機質な本体デザイン。
上部にはボリューム(プラスとマイナス)、ミュート、アクションの4つのボタン。周囲に空いた無数の穴はスピーカー。
底面。
背面には給電用のmicroUSB端子と音声出力用のステレオミニ端子。
ユーザビリティに配慮したシンプルで割り切りの良い設計で嫌いじゃありません。
付属のUSB-ACアダプタは出力9W(1.8A)の一般的なもの。
さっそく起動…といっても、付属のACアダプタに接続したUSBケーブルを本体に挿すだけ。通電すると上部の縁に配されたLEDライトリングが青く点灯・回転するあたりはニクい演出。
セットアップにはスマホかタブレットを利用。Playストアから専用アプリを入れて画面の指示に従うだけなのですが、途中何を言ってるのか分からない部分があり少々混乱したものの無事オンライン状態に。
スマホに入れた専用アプリからはスキルの追加や、ウェイクワードの変更(「アレクサ」「コンピュータ」「アマゾン」「エコー」から選択可)、音声による注文の無効化なども行えるので後は良しなに。
使ってみた
Amazon Echoシリーズのウェイクワード(スマートスピーカーに指示出しする際の呼びかけ)は「Alexa」(アレクサ)がデフォルト。
「Alexa、明日の天気は?」と問いかければ、Google Homeに負けないレスポンスで即座に応えてくれます。心配だった日本語の発話にもぎこちなさはなく声質もGoogleアシスタントのものよりこちらの方が個人的に好みではありますが、天気情報を伝える中で本来訓読みすべき町域名を音読みしてしまっており「え?どこだって??」と思わず突っ込み。Googleアシスタントは正しく読み上げてくれるので、そこは蓄積されたデータ量の差なのかもしれません。
続けて音楽再生。Amazon MusicとTuneIn Radioのスキルが初期設定されており、プライム会員であれば「Alexa、音楽を再生」でPrime Music対象楽曲の再生が始まります。
Echo Dotに搭載されたスピーカーの音質はGoogle Home Miniに比べ大きく劣りますが、その気になれば音声出力端子を介して外部スピーカーに接続出来るのでそこは使い方次第かと。
続けてTuneIn Radioでインターネットラジオを聞こうとするも、どんなに正しい局の名称を告げても「曲名は指定出来ません」「ジャンル指定出来ません」的な回答ばかりですべての要求を拒否。ひょっとするとまだ正式にサービスしていないのかな…?
音楽関係でいくと追加可能なスキルの中にradikoも用意されていました。
しかし、Google Homeと同様にIPアドレスからエリアを推測しているらしくIPoE+DS-Liteなネット環境だと東京か大阪(兵庫)のどちらかしか聞けない模様。う~ん…本当は地元のラジオが聞きたいんだけどなぁ。
その他、ニュース再生やカレンダー(タスク)なども試してみましたが使い勝手はGoogle Homeとほぼ同じ。迷うことはないでしょう。
Google?Amazon?明日はどっちだ
Amazon Echo Dotに一通り触れてみましたが、Echoシリーズならではの機能がイマイチ訴求しきれていないのがちょっと残念な気がしなくもありません。
EchoシリーズはGoogle Homeに比べ開発参入の敷居が低いらしく日々新たなスキルが提供されておりこれがひとつの売りでもあるわけですが、正直なところそれらの大半がゴミ。セキュリティ上の不安もありソフト面での優位性はほとんど感じられませんでしたが、外部連携が可能なハードの充実度という視点で見ればEchoシリーズに一日の長があるのは間違いありません。
GoogleとAmazon、数年後どちらのプラットフォームが覇権を握っているのやら…その動向を楽しみに見守っていこうと思います。
…まぁ、AmazonがAlexa対応の安価なスマートリモコンなんかをリリースしたら、一瞬で決着がつきそうな気がしなくもありませんが。