仕事用の端末として普段使っているPCとは別に、自社VPNにアクセス可能で見積資料の作成などに使う『HP ProBook 450 G2』を持たされているのですが、こちらは昨春の緊急事態宣言時に遊休PCを使って急ごしらえで用意した端末。
このため、自社ネットワークへの接続時に求められる高いセキュリティ要求を満たすにはスペック的に厳しく、電源を入れてから安定して使えるようになるまでに20分くらいかかっていたうえ出張時に気軽に持ち出せるサイズ・重量でもなかったので年度末に予算消化も兼ねて新しい端末『HP EliteBook 830 G7』を発注しておきました。
折からの半導体不足の影響もあって連休明けにようやく到着した同端末。
第10世代(Comet Lake)のi7プロセッサを搭載しビジネス向けのモバイルPCとしてはかなりハイスペックで実用性にも優れたEliteBook 830 G7。折角なので軽くご紹介しておくことにします。
外観チェック
HP EliteBook 830 G7 には「Wi-Fiモデル」と「LTEモデル」がラインナップされており、それぞれにCPUやメモリ、液晶パネルの異なる各種グレードが用意されていますが今回入手したWi-Fiモデルの中でも上位グレードにあたる一台。詳細スペックは下記の通りとなっています。
HP EliteBook 830 G7 (Wi-Fiモデル) | |
---|---|
OS | Windows 10 Professional (64bit) |
CPU | Intel Core i7-10510U (4コア 8スレッド/1.8-4.9GHz) |
メモリ | 16GB (8GBx2) DDR4-2666MHz |
ストレージ | 512GB SSD (PCIe NVMe M.2) |
オプティカルドライブ | なし |
webカメラ | 720p HD Webカメラ (約92万画素)、IRカメラ |
有線LAN | なし |
無線LAN | Intel Wi-Fi AX201 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
グラフィック | Intel UHDグラフィックス (プロセッサー内蔵) |
ディスプレイ | 13.3インチワイド フルHD |
バッテリー | リチウムイオンバッテリ(3セル, 53WHr) |
「より軽く、より薄く、より強く」を売りにするEliteBookシリーズは、プラスチックを多用するProBookシリーズとは違い堅牢で耐久性に優れるメタルボディを採用しています。アルミニウム合金からの削り出しで加工されたEliteBook 830 G7の筐体は従来モデルからデザインを一新し薄さと軽さは大きく進化。わたしが以前プライベートで使用していたHP EliteBook 8460w (2011年発売)は一体何だったのか…と思えるほどモバイル用途への最適化が進んでいます。
サイズは307.8×204.6×17.9mmで重さは実測で約1.3Kg。極力無駄を排したシンプルな外観は数字以上にコンパクトな印象を与えます。
液晶面は上下左右ともベゼルの狭額化が図られており、高い没入感が期待出来ます。
Bang & Olufsenとの共同開発によるプレミアムスピーカーを両脇に配したキーボードは約18.7mm四方のキーピッチを確保。キーストロークも十分でしっかりとした打鍵感が得られます。
キーボードはバックライトも備えているので、薄暗い夜間フライトの機中でもストレスなく仕事を進めることが出来ます。
キーボードに関しては本体の電源ボタンを「prt scr」キーと「delete」キーの間に組み込んでいるのが好き嫌いの分かれそうなポイント。Surfaceシリーズを始め最近のモバイル端末で多く採用されている配置ですが、PCのヘビーユーザーからするとなかなか抵抗が大きいのではないかと思われます。
電源ボタンだけは意識して押さないと反応しないよう固めに設定されているので、文章入力している途中で誤タイプしてしまう可能性は相当低いと思われますし、間違って押してしまってもデフォルトではスリープ状態になるだけで作業中のドキュメントが吹き飛ぶ心配はありません。とはいえ、どうしても心配であればWindowsの電源の設定で電源ボタン押下時の動作設定を変更しておくと安心できるかと思います。
インターフェースは向かって左側に奥からStandard-AのUSB 3.1ポートが2つとマイク/イヤホン用のミニジャック。
右側には電源コネクタ、HDMIとThunderbolt対応のUSB Type-C ポートx2。
Type-Cポートは端末への電力供給も可能なので、「標準のACアダプタが嵩張る…」という方は窒化ガリウムを採用するなどしてコンパクト化の進んだ汎用のPD対応充電器を利用することも可能です。(詳細は後述)
なお、Type-Cポ―トの隣に見える僅かな出っ張りはLTE対応モデルでSIMスロットとして使用される部分。今回入手したのはWi-Fiモデルなのではめ殺しとなっています。
続いてベンチマーク…と行きたいところですが、旧端末の返却期限が迫っていてバタバタとEliteBook 830 G7の環境設定を済ませてしまう必要があったため今回は省略。ただ、客先で使っているSSD採用のProBook 450 G5よりも相当に快適で基本性能は十二分に高い数値であろうことが伺い知れます。旧端末で20分近くかかっていた起動もほんの数秒にまで短縮されストレスとは無縁になりました。
自宅で4Kディスプレイを見慣れていることもあり、EliteBook 830 G7の液晶がフルHDである点だけが唯一の気がかりでしたが、13.3インチと画面サイズが小さいこともあり十分に高精細です。初期状態でやや青みの強い発色なのが気になったのでグラフィックスの設定で弄ることでいい感じに収めることが出来ましたが、万一コンパクトさをいかして出先で撮影画像を確認するような用途での使用を想定されるのであればキャリブレーションツールを別途用意しておいた方が良さそうです。
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EliteBook 830 G7に付属する純正ACアダプタは出力45W対応のもの。以前に比べれば十分に小さくなっていますが、直出しのケーブルの太さをはじめ決して取り回りに優れているものではないのでそうした点が気になるわたしのような人にはUSB Type-Cポートからの充電がおススメ。
これに向けて新たにUSB PD対応の充電器『Anker PowerPort III 65W Pod Lite』とL字型のプラグを採用したType-Cケーブル『UGREEN L字 USB Cケーブル』を用意しました。
UGREENのケーブルは一方のコネクタがL型形状なので出っ張りが少なくマウスなどと干渉しないので大変おススメ。アダプタは自宅では以前購入しておいた『Anker PowerPort Atom III 45W Slim』を開発用端末と共有する形で使用していますが、オフィスやビジネスホテルなどはコンセント回りに余裕がないことが多く45W Slimのような形状だと干渉してしまうケースが想定されるので、外出先には65W Pod Liteの携行を想定しています。
45W Slimも65W Pod Liteも純正ACアダプタの1/2ほどの体積しかないので持ち運びは驚くほど楽になります。ただし、PD対応の充電器の中には品質が十分でなく下手をすると接続した端末の破損にまで繋がるケースもあるようなので、購入するならAnkerや国内の大手サプライメーカーの製品に限定してセレクトされることを強くおススメしておきます。
また、わたしの会社では現在リモートワークが徹底されていることもあり今回入手したEliteBook 830 G7も当面は自宅でのみ使用することになりそうですが、コロナが落ち着けば出張などで持ち出す機会が増えるのは間違いないので持ち運びに便利なPCバッグも別途購入。
本来ならPCバッグもHP純正で揃えたかったのですがあまり見栄えの良いものがなかったので、昨年末に『IdeaPad Duet Chromebook』用に購入したスリーブと同様に今回もAmazon.co.jpで『Inateck 13インチ ケース』なる中華ブランドのバッグを選択。
Inateckはそこそこ評判の良いアクセサリメーカーなので中華ブランドといっても品質面で不安視する必要なし。実際に届いた商品も縫製はしっかりしていますしクッション性も高く、長きに渡って安心して使えそうな出来栄え。内側に傷の原因となる余計なタグなどが無いのも好印象です。
EliteBook 830 G7を入れるには気持ち大き目ですがこのくらい余裕があった方が出し入れもしやすく、ACアダプタなどのアクセサリ類もサイドポケットに入れて無理なく持ち運べるので個人的にはかなり満足しています。
まとめ
半導体不足による端末の調達困難な状況が続く中入手した『HP EliteBook 830 G7』。
かつて13インチノートといえば非力でキーボードも扱いにくくネガティブなイメージが先行していましたが、このクラスの端末ともなると性能面でも使い勝手の面でも十分納得のいく内容になっています。
よりタフで高性能なモバイルノートをお探しのビジネスパーソンは勿論、プライべートでの使用を想定している方にも安心して導入をおススメ出来る一台です。