Nikon 1(ニコワン)を楽しめるのはむしろこれからだと思う理由

ニコンの公式サイトから「レンズ交換式アドバンストカメラ」のカテゴリーが削除され、対応するカメラボディが総じて旧製品扱いとなりました。

需要の一巡によるデジタルカメラ市場の急減速に伴うニコンの業績不振の中、収益性の低いコンパクト機開発への風当たりは強かったようで2015年4月に投入された『Nikon 1 J5』以降同シリーズにはレンズの1本もリリースされていませんし、別途開発が進められていた高級コンデジ「DL」シリーズも発売中止を決定。昨年末にはこれらの生産拠点であった中国工場の操業を停止するなど外堀も埋められていたのである程度予想された流れではあるものの、Nikon 1シリーズのコンセプトに共感を覚えたユーザーの一人として少々寂しさを覚える展開となっています。

一部「ニコワン終了」などと断言した記事も散見されましたが、52年ぶりとなる新マウントを採用してまで製品化したものを一時の状況判断で無くしてしまうとはさすがに考えにくいですし(ニコンは過去にもカメラが売れない時代を何度も乗り越えてきた経験がありますし、本当にNikon 1を打ち切るつもりだったら中国系にでも事業売却して少しでも資金を回収しようとしてるはず)、そもそもCMOSセンサー自体の性能が頭打ちで継続的な商品企画が難しいといった話しも耳にするので「Nikon 1シリーズはしばらく休止して当面はフルサイズミラーレス機の起ち上げに注力しよう」というのが実際のところ…だと願いたい。

しかし、Nikon 1に価値を見出して入手したユーザーが将来に不安を感じ悲嘆に暮れる必要はないと思ったりもするわけです。


というのも、発表間近とされるフルサイズミラーレス機に噂通り新マウントが採用されれば今後Fマウントレンズが中古市場に大量に流れてくることも予想されるため、『マウントアダプター FT1』さえ所有していれば良質なレンズ群をお得に入手して使える可能性が出てくるわけです。そう考えるとNikon 1ユーザーにとっての「お楽しみ」はむしろこれからとポジティブに捉えることも出来ますよね。

ボディに関してもJ5やV3であれば今なお十分評価に値する写りで競合に大きく見劣りすることはありませんし、しばらく後継が出ないとなればその間ずっと「最新モデル」を名乗れるじゃあないですか(笑)。

デジタルカメラの進化に上げ止まり感が見られる中、「写真はレンズで決まる」と割り切ればNikon 1という選択肢は今後もアリなんじゃないかと思うある夏の日の午後のひと時で御座いました。

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