『HP Pavilion Notebook PC dv2605/CT』レビュー

2007年冬モデルとして登場した『HP Pavilion Notebook PC dv2605/CT』は、夏モデル『dv2405/CT』からのマイナーチェンジモデル。秀でた天板デザインとAMDプラットフォームを採用することで実現した高いコストパフォーマンスで注目を集めるHPの14.1型ノートですが、今冬モデルではデザインパターンの追加とチップセット変更などのブラッシュアップが行われました。

購入はHP Directplusからのネット注文のみ。店頭販売などは予定されておらず、実際に目に機会の少ない製品ですが気になる人も多いことと思うので簡単にレビューしておくことにします。

主なスペック

dv2605/CTは14.1インチ ワイドTFT WXGAウルトラクリアビューカラー液晶ディスプレイ(1,280×800 / 最大1,677万色)の液晶ディスプレーを搭載。実用性と持ち運びの利便性を両立できるとして最近各社が力を注ぐサイズですが、この端末に関しては最小構成で7万円台と手頃感が高いのが特徴。

 HP Pavilion Notebook PC dv2605/CT レビュー

チップセットは従来のNVIDIA C51M/MCP51からMCP67Mに置き換えられ、それに伴い内蔵グラフィックもGeForce Go 6150からGeForce Go 7150に性能アップした。Windows XPよりも高い描画性能が要求されるWindows Vistaを標準OSとしているだけに、この違いは操作性の改善に大きく寄与しているものと思われます。

無線環境としてIEEE802.11g/bもしくはIEEE802.11a/g/b+Bluetooth 2.0、OSはVista Home BasicかPremiumなどBTOで選択できる範囲は前モデルから変わらず。但し、光学ドライブはスーパーマルチドライブに一本化されています。

インターフェースも前モデルをそのまま継承。メディアカードスロット、ExpressCard、外部ディスプレイ出力(D-sub)x1、Sビデオ出力端子x1、USB2.0ポートx3、IEEE1394aポートx1、LANポート(10/100)、モデム、マイク入力x1、ヘッドフォン・ラインアウト出力x2、Expansionポート(独自拡張コネクタ)x1と十分。左右にUSBポートが分けられているのは、一見まとまりがないように見えますが案外使い勝手は良い。また、ExpressCardスロットに収納できる赤外線リモコン『HPモバイルリモートコントローラ』の存在も何気に便利。

惜しむべくは海外市場向けには存在するIntel製チップセットを採用したモデルの国内導入が見送られたことと、最近需要の高まっているHDMIポートが存在しない点。ブランド名やカタログスペックにこだわる日本市場に向けた商品としてはややアピール不足な感を拭えませんがコストパフォーマンスの高い小ぶりなノートPCをお探しの人にとっては検討の価値ある一台でしょう。

すぐれたデザイン

外見については前モデルより同社個人向けPCに用いられている”HP Imprint”技術を引き続き採用。金型に模様を印刷したフィルムをはさみ、そこに樹脂を流し込むことで成形と模様の転写を同時に行うもので、美しく傷の付きにくい筐体外装が実現されています。表面は艶やかで、拭き取り用クロスまで添付されるコダワリ様。デザインパターンとして用いられた”雫(しずく)”は、水面に広がる波紋をイメージしたもので、耐久性が高い一方で艶がありすぎて安っぽくも見えがちな”HP Imprint”加工をシックで大人な雰囲気にまとめ上げてます。

 HP Pavilion Notebook PC dv2605/CT レビュー

また、各所のインジケータ用LEDはブルーで統一。ACアダプタに繋がるプラグの差込口にもLEDが埋め込まれているので、コンセントからの通電状態を容易に確認できます。

独特なキーボードレイアウト

キーのピッチは一般的な19mmでキーストロークも2.5mmと必要十分。若干反発力の強いキータッチだが個人的にはそれほど悪くはない感じ。

惜しむべくは一部キーのレイアウトが特殊な点。ThinkPadなどは一番右端にbask space、enter、shiftそれにカーソルキーが並んでいるが、この機種においてはそれらのさらに外側にDelete、Home, End, PageUp, PageDownといったキーが並ぶため慣れるまでに少々時間を要するかもしれません。

あと、キーボードと本体の固定がイマイチで両端の方にあるキーを叩くと「バチャバチャ」と音をたてるのは頂けません。これでは集中してタイプできません。

Bluetooth 搭載モデルの注意点

dv2605/CTに限らずPavillionシリーズ全般に言えることのようですが、BTOオプションで『IEEE802.11a/b/g + Bluetooth2.0』を選んで購入した場合、初期セットアップ時に無線のスイッチをオンにしておかなければBluetoothが認識されないようなので注意が必要です。

初期セットアップ時にBluetoothのホストチップの有無を確認してドライバをインストールする仕様のようで、その後のタイミングで自動検出などはしてくれません。仮にこのタイミングを逃すとHPのWebサイトから専用ドライバを探してきて手動でインストールするか、システムリカバリを行うしかないとのこと。前者を選択した方が影響は少ないとは思いますが、現時点で該当するドライバはHPの英語版のサイトにしか置かれておらず、さらにはチップの名称や種別を把握したうえで探さないといけないので多少コンピュータに詳しい人間でもどれをダウンロードすべきかかなり迷ってしまいます。これは早期に改善してもらいたいですね。

なお余談ながら、当方のdv2605/CTは無線のスイッチのON/OFFやステムリカバリ、ドライバのインストールに関係なくBluetoothが認識されなかったため不具合として交換対応となりました。同機種についてはBluetoothを認識しないという報告がネット上にもいくつか見受けられることから同部品に関して若干の不安を覚えます。

ベンチマーク

最後にベンチマーク結果を参考まで。使用したベンチマークソフトはFuturemarkの「PCMark05 (Build 1.2.0)」と「3DMark05(Bulid 1.3.0)」、「3DMark06(Build 1.1.0)」の3種類。初期セットアップ直後の状態からNorton Internet Securityのみアンインストールした状態で実行しています。

PCMark05
System Test Suite 3141 PCMarks
CPU Test Suite N/A
Memory Test Suite N/A
Graphics Test Suite N/A
HDD Test Suite N/A
HDD – XP Startup 6.0 MB/s
Physics and 3D 80.18 FPS
Transparent Windows 2543.59 Windows/s
3D – Pixel Shader 14.94 FPS
Web Page Rendering 1.51 Pages/s
File Decryption 32.63 MB/s
Graphics Memory – 64 Lines 249.65 FPS
HDD – General Usage 3.68 MB/s
Multithreaded Test 1 / Audio Compression 1653.87 KB/s
Multithreaded Test 1 / Video Encoding 274.86 KB/s
Multithreaded Test 2 / Text Edit 78.67 Pages/s
Multithreaded Test 2 / Image Decompression 19.68 MPixels/s
Multithreaded Test 3 / File Compression 3.5 MB/s
Multithreaded Test 3 / File Encryption 17.46 MB/s
Multithreaded Test 3 / HDD – Virus Scan 26.67 MB/s
Multithreaded Test 3 / Memory Latency – Random 16 MB 8.8 MAccesses/s

3DMark05
3DMark Score 688 3DMarks
CPU Score 6461 CPUMarks

3DMark06
3DMark Score 242 3DMarks
SM 2.0 Score 93 Marks
SM 3.0 Score 73 Marks
CPU Score 1374 Marks

ベンチマーク稼働中はパームレスト左側がほのかに熱くなる程度で、冷却用のファンが轟音を上げることはありませんでした。旧モデルではパームレストに相当の発熱があると報告されていたのでなんらかの対応が図られているのかもしれません。

まとめ

“HP Imprint”を採用した同端末は何よりも個性的なデザインの端末を所望する人の欲求を満たすだけの外観を備えています。身近に武骨なデザインのPCを置きたくはないという女性も多いと思うのでそういった方にも十分に訴求できる製品です。

しかしながら性能面に過度な期待を抱くのは禁物。別途性能の良い端末を所有しているうえでのサブ機、あるいは初心者が学習用として入手する分にはまったく問題ありませんが、あれもこれもと酷使する向きの端末ではないようです。購入を検討されている方は事前に用途をはっきりさせた上で検討に当たられることをお薦めします。

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