2005年の購入以来、登山時に携行しているカメラ用三脚『SLIK スプリントPRO GM』。
アルミ合金製のオーソドックスな製品にもかかわらず付属する自由雲台『SBH-100』を含めても重量わずか890g。軽量・コンパクトがウリの製品で脚部のパイプ径は20mmと華奢ながら最大積載重量2.0Kgと一眼レフ+標準ズームレンズ程度の機材なら十分に支えることが可能。金属製なので少々雑に扱っても問題ありませんし、可変石突装備で多様なフィールドに柔軟に対応出来るためアウトドアに持ち出すには最適な三脚として大変重宝しています。
一時はさらなる軽量化を目指してカーボン三脚への買い替えを検討したこともありましたが、このサイズの製品では脚部のパイプよりも雲台取付部や可動部が占める重量の割合が大きいためカーボン製といえどもほとんど重さが変わらないことが判明したため今後もしばらくはこの三脚を活用していくつもりです。
そんなスプリントPROも購入から8年以上が経過しているため、メンテナンスを兼ねて今後も長く安心して使用していくための改良を行なってみることにしました。
雲台を『SBH-120』にグレードアップ
スプリントPROの付属雲台『SBH-100』は標準ズームレンズを装着した一眼レフなら十分に対応出来るだけのスペックが謳われているのですが、カメラ取付け部に貼られたコルクが長年の使用で硬化して滑りやすくなっており少しづつ縦位置で使用しているとレンズが序々にお辞儀してしまうような状態だったのでまずはこちらの対応を検討。
メーカーから保守部品としてコルクのみ取り寄せることも可能なのですが、以前から1Kgを超える機材を載せるには少々心許ない印象が拭えなかったのでこの期に1ランク上の『SBH-120』に交換しました。
雲台のグレードアップにあたっては三脚とのバランスに注意しないと頭でっかちになり逆に不安定になってしまうこともあるので注意が必要ですが、SBH-120はSBH-100との重量差が20gしかないのでスプリントPROにも安心して取り付けることが出来ます。ボール径がひとまわり大きいのでしっかり固定出来て構図が容易に決まるようになるとともに、雲台を傾けて使用する際にカメラ台とボール固定レバーが干渉することも無いので使い勝手も格段に良くなりました。
ボールのサイズアップに伴いベース部の直径も4mmアップしますが、左右に2mmずつ大きくなるだけなので脚部と干渉することはありません。
従来のSBH-100は三脚の色に合わせてガンメタリックで塗装されていたのに対しSBH-120は黒。幸い同系色ということで見た目の違和感もほとんど気にならないレベルに収まっています。良かった良かった。
エンドフックの取付け
本格的な三脚にはエレベーター(=センターポール)の下部に重量のあるものを引っ掛けて安定させるためのエンドフック(ウェイトフックとも言う)が用意されているのですが、スプリントPROは軽量さを追求している為かあるいはコストの問題からなのか(おそらくは後者が正解)それが付いていません。
こういう軽量三脚にこそフックは欠かせないと思うのですが、生憎メーカーに確認してもこのクラスの三脚に適合するフックは用意していないそうなのでここで見つけたアイディアを参考にして自分でフックを取り付けてみることにしました。
まずは近所のホームセンターで適当なサイズのフックとそれに合ったナット及びワッシャーを用意。上記リンクの中では丸型フックの付いたいわゆる「ナット付きよーと」(洋灯)が使われていましたが、今回は耐久性と他の荷物に引っかかった際の解きやすさを考慮して”レ”の字形のフックを選択。価格は全部あわせても100円以下です。
必要な部品が揃ったらスプリントPROのエレベーターにもともと付いてるエンドキャップを外してドリルで中央に穴を開け、ワッシャーとナットを使ってフックを固定。以上、簡単です!
ちなみに、エンドキャップの内側には少し深さがありそのままではナットを強く締め付けるのが難しそうだったので通常のワッシャーの下に少し厚みのある硬質ゴム製のワッシャーを挟んでいるのですが、これがまた良い感じでグラつき防止に役だっており強度は抜群。見た目も悪くなく、我ながら純正部品のようなクオリティに仕上がりました。
三脚に装着してもなかなか良い感じ。
フックは荷物を提げるのに支障のない範囲で極力小さいものを選んでおいたので三脚を折りたたんだ際は脚部のパイプの影に隠れて邪魔になることもありません。付属の収納用の袋にも問題なく収まります。
あまりに重たい荷物を提げるとフックを取り付けたエンドキャップがセンターポールから丸ごと抜け落ちそうな気がするのである程度自制しながら使おうとは思いますが、試してみたところ5Kgくらいは十分余裕を持って耐えられることを確認しています。山で使用する際にはフックの真下に打ったペグとロープで固定しておくだけでも不意の突風による転倒を防いでくれるのでオススメです。