『Nexus 5X』や『Nexus 6P』などに採用されている次世代USB規格「USB Type-C」。
現在広く普及しているUSB Standard-AやMicro-Bなどといった既存のUSB(以下、レガシーUSB)に比べ供給電力と伝送速度の向上が図られていることに加え、コネクタ形状が上下対称で向きを気にせず抜き差し出来るという利便性の高さもあって今後爆発的に普及していくことが見込まれています。
とはいえ、対応製品が少ない現状に於いてはレガシーUSBポートしか備えていない機器との接続が必要となるシーンも多く、そうした需要を見越して様々なベンダーから変換ケーブルやアダプタが続々リリースされているのですが、USB Type-Cの正しい仕様を満たしていない製品が多数存在することが判明しちょっとした騒ぎとなっています。
ここでは問題を正しく理解し安全に利用出来る製品選びの一助となる(かもしれない)情報をまとめておくことにします。
粗悪なUSB Type-C変換ケーブル・アダプタとは?
最大1.5Aまでのバスパワー供給に対応するレガシーUSBに対し、USB Type-C(v1.1)はその規格上最大3Aまでサポートしており従来の倍近い速度での急速充電が可能となっています。
これら2つの規格は端子の形状も異なるため両者を繋ぐには変換ケーブルやアダプタの存在が欠かせないのですが、結線に不備があったりレガシーUSBポート側に1.5Aを超える過剰な負荷をかけないようUSB Type-C(v1.1)の技術仕様で謳われている適切な抵抗を備えていなかったりする粗悪な製品が相当数流通しており、組合せによっては充電が出来ないばかりか機器の損傷に至る可能性もあるとのこと。
一連の問題を世に知らしめたGoogleのエンジニアBenson Leung氏は現在までに相当な数の商品のレビューを行っていますが、問題なしと判断されたのはほんの一握り。彼の指摘を受け商品の回収や対策品への切り替えを行うベンダーもあり改善に向けた兆しが見られる一方、彼の検証端末を実際に損傷させてしまうような粗悪な商品が今現在も巷に溢れているため利用に際しては十分な注意が必要です。
そもそも…
十分な注意が必要…とは言っても見た目で判断出来るようなものではありませんので、現状商品選びにあたってはBenson Leung氏のレビューや各所に寄せられる口コミ情報等に頼るほかないのが実情。
本来ならユーザー自身が自分の端末を危険に晒さなければならない現状は異常ですし、理由はどうあれ規格を順守しないな製品が闊歩する現状は許されるものではありません。
こうした状況が改善されないまま、この先USB Type-Cに対応したスマートフォンやタブレットが急速に普及していけば被害が拡大する恐れもあります。