Panasonic製のドコモ端末『FOMA P901iS』を購入しました。

通常、携帯電話の機種変更といえば期待に胸が膨らむものですが、今回は少し違います。ワクワク感というよりは、ようやくこの時が来たかという「安堵感」の方が遥かに大きいのです。なぜ、これほどまでに1年という期間が長く感じられたのか。そして、満を持して選んだ新機種の使用感はどうなのか。その辺りを記録しておきたいと思います。
F900iからの買い替えを決めた理由
2004年6月の購入から約1年にわたって使用していた富士通製の『FOMA F900i』は、電話機として致命的とも言える欠陥を抱えていました。
通話中に「声が遠い」と言われることが非常に多く、同じF900iを使っている嫁との通話では、互いに大声で張り上げなければまともに会話が成り立たないほど。当初はノイズリダクション機能や端末の握り方に問題があるのではないかと疑いあれこれ試してみましたが一向に改善せず、最終的に「マイク自体の問題」という結論に至り、購入1か月ほどでドコモショップへ駆け込みました。
ショップ側でも同様の見解が示され、店頭在庫との交換を試みてくれましたが、新たに開梱した端末でも状況は変わらず。展示用のホットモックだけは問題なく使えることから、「現行ロットの不具合の可能性が高い」という話になり、私と嫁の2台揃ってメーカー送りとなりました。 2か月近く待たされて戻ってきた修理伝票には「メーカー在庫の中からマイク感度の良いものを選別して交換」と記載されていましたが、残念ながら改善は一切見られませんでした。
遠回しに別機種への交換も要望しましたが、「ドコモ側からの指導でそのような措置は行えない」との理由で却下。1年未満での買い替えは割引が効かず費用面の負担が大きくなるため、「1年我慢して使っていただき、次の機種変更の際にご利用ください。」と、5,000円分の機種変更用クーポンを渡されるのが精一杯の対応でした。
結局、他に選択肢もなく、騙し騙し使い続けて意地で1年。ようやく禊(みそぎ)の期間を終え、買い替えに踏み切ることができました。なんとも長い1年でした。
P901iSを選んだ理由
ドコモショップでは、以前の経緯を覚えていてくれた店員さんの配慮で、店頭の主要機種で実際に通話状態を確認させてもらえました。
ほとんどの機種が問題なく通話できる中、富士通製の最新機種『F901iS』だけは相変わらずマイク感度不足でした。どうやら販売店の間では周知の事実のようで、回収騒ぎを避けたいメーカー側が公式に認めていないため、現場も対応に苦慮しているとのこと。
当然、富士通製は検討対象外とし、他の機種を見比べた結果選んだのが『P901iS』です。 決め手は、まず通話性能に対する安心感。そしてもう一つが「音楽プレーヤー機能」でした。F900iでも裏ワザ的に音楽は聴けましたが、操作が煩雑で実用的ではありません。その点、P901iSは「音楽ケータイ」を前面に押し出しており、操作性や音質への期待が感じられました。
決め手となったのは、まず通話性能に対する安心感。そしてもう一つが、音楽プレーヤー機能でした。F900iでも裏ワザ的に音楽を聴くことは出来ましたが、操作は煩雑で、使い勝手が良いとは言えません。その点、P901iSは「音楽ケータイ」を前面に押し出しているだけあって、操作性や音質にもそれなりに配慮されている印象を受けます。
通話と音楽再生。特別な機能を求めたわけではありませんが、「当たり前のことが当たり前にできる」端末として、この時点ではP901iSが最も無難で納得できる選択肢でした。
P901iSの音楽再生機能
最初に言っておくとP901iSの音楽機能については、正直なところ手放しで褒められるものではありません。
著作権保護を盾にした利権団体の思惑と、独自規格にこだわりたいPanasonicの意向が生んだ「SD-Audio」規格により、ガチガチの制約が課せられているため「miniSDカードにMP3をコピーすれば終わり」というわけにはいきません。
音楽再生には、付属CD-ROMの『SD-JukeBox』をPCにインストールし、USBケーブルで端末を接続する必要があります。PC上のMP3やWMAファイルも、一度SD-JukeBoxに取り込んで著作権保護形式へ変換せねばならず、この処理にかなりの時間を要します。
SD-JukeBox自体の使い勝手は悪くなく、CDDBからの曲情報取得などはiTunes等と遜色ありません。ただ、付属ソフトは簡易版(Light Edition)のため、書き出し形式としてMP3は選択出来ず、AACかWMAの二択。このあたりは割り切りが必要です。
取り込みまでの作業性はイマイチですが、端末側での操作性は従来の“おまけ機能”とは比べものにならないほど向上しています。端末を閉じたままの連続再生、プレイリスト、ランダム/リピート再生など、必要最低限の機能は完備。音質もAAC 96kbpsのビットレートなりですが極端に悪くはなく、S-XBSモード、トレインモード、サラウンド機能など、状況に応じた設定が用意されている点も評価できます。
一方で、ホワイトノイズが目立つため静かな環境でのリスニングには不向き。バッテリー消耗も激しく、通勤中に聴いていると2日持つかどうかというレベルです。また、平型端子による接続や、イヤフォン使用時にマイクが無効になる仕様など、細かな不満点も少なくありません。
とはいえ、「音楽は聴きたいが、荷物は増やしたくない」という層には十分実用的。私自身も、しばらくはこのP901iSで通勤時間の音楽を楽しむつもりです。
総括
P901iS選びで重視したのは、奇をてらった新機能ではなく「電話としてきちんと使えること」でした。その点については、通話の際に大声で喋る必要がなくなったという一点だけでも、期待以上の結果だったと言えます。
音楽機能に関してはSD-Audioという独自規格に振り回される面もありますが、携帯電話単体で音楽を持ち歩けるメリットは大きく、これまでとは一線を画す使い勝手です。「音楽ケータイ」を名乗るだけの価値は十分にあると感じました。
プラスエリア対応や自動時計合わせ機能など、シリーズ全体で強化された地味ながら便利な機能も、日常使いでじわじわと効いてきます。 F900iで騙し騙し過ごした1年は長く感じられましたが、その反動もあり、今は「ごく当たり前に通話ができる」ことに心から安心できています。