格好の良い外観と扱いやすさに魅了され5年半もの長きに渡り職場で愛用してきたマイクロソフト製マウス『Laser Mouse 6000』ですが、USBコネクタ付け根部分のケーブル皮膜が傷んで内部の銅線が顔を覗かせ始めていることからこのタイミングで買い替えることにしました。
正確なマウス操作を追求するのであれば有線に優るものはありませんが、職場では端末を持って移動する機会が多く度々マウスケーブルを引っ掛けていたことが今回の損傷の原因でもあるので今回ワイヤレスに変更することを決意。使い慣れた「戻る」「進む」ボタンを備えた5ボタン以上のワイヤレスマウスというとそれほど選択肢は多くないので、当初は自宅でも使っているロジクールの『Performance Mouse M950』を…とも考えたのですが、同製品はフラッグシップ機だけあって有線と変わりない精度を誇る一方でバッテリーが1週間ほどしか持たないのが難点。いつでも充電の出来る自宅とは違い職場では打合せに追われてなかなか自分のデスクに戻れないことも多く充電や電池交換のタイミングも制限されるので、今回はスタミナも考慮して最大3年間の電池寿命を謳う『マラソンマウス M705t』を購入しました。
このマウスは価格調整と部材の見直しによるコストダウンなどを目的に「M705」「M705r」「M705t」と型番変更こそ行われているものの、2009年の発売開始以来5年以上に渡りマイナーチェンジも行われることなくラインナップされている息の長い製品。デスクトップ用マウスとしては一回り小さめながらモバイル向けというほど小さくもなくいので、携帯性と操作性の両立を図りたいユーザを中心に支持されている製品のようです。
自宅のM950との並べてみるとボタン配置や左右非対称のシルエットを継承しながら一回コンパクトに仕上げた弟分的な位置付けの商品であることが分かります。
スペック的にはM950が最大1500dpiの「Darkfield」センサーを搭載しているのに対し、M705tは1000dpiの一般的なレーザーセンサーを採用。M950には存在する「Zoom」ボタンがM705tでは省かれていたり…といった違いはありますが、開発や事務などの現場で使用する分に影響は無いでしょう。
ただ、M705tは電池寿命を重視しすぎているようで他のワイヤレスマウスに比べ積極的に省電力モードへ移行する仕様の様子。このため動き出しでもたつくケースが散見されるのでこれが許容できる用途でないとストレスが溜まるかも。現状ではCADやデザイン、画像処理、ゲームなどで細かな操作が要求される用途に於いては有線マウスかM950しか選択肢は無いと思います。
使用するバッテリーは単3電池2本ですが、重たいマウスを嫌う人の存在も考慮してか1本だけでも動作する設計になっています。
ただ、わたしは「カメラとマウスは重たい方がブレなくて良い」という主義なので2本セットの状態でもやや軽く感じました。暇な時にオモリでも入れて調整しようと思います。なお、パッケージにはデュラセル社製のアルカリ電池が付属してますが、これまでの経験からデュラセルの電池は高確率で液漏れを起こすので早めに信頼性の高い電池に交換することをオススメします。
かつてマウスやキーボードのアフターマーケット市場を凌駕していたマイクロソフトが新規商品開発に消極的な姿勢へ転換したことにより、わたしを含め多くのユーザがロジクール製品に乗り換える中で同社製品の耐久性に関する意見も聞かれるようになりましたが、わたしが使っているM950は2年半以上ノートラブルだし周囲で耳にするチャタリングなどの不具合もマイクロソフト製品に比べれば割合が少ないように思います。万が一、問題が生じても保証が3年と長く交換対応もスムーズに行ってくれるようなので下手な国産メーカーのマウスを買うよりは遥かに安心だと思います。
M950に触れた後だけに気になる点も見受けられるM705tですが、同じ価格帯の製品の中では相当に優秀です。コンパクトでありながらエルゴノミクスデザインを採用しているので比較的手の大きなわたしが長時間使用してもそれほど苦には感じることもありませんでした。高い精度が要求される作業に使用するケースでなければ悪くない選択肢だと思います。