ハウジングが破損したため汎用シェルに交換してまで延命を図っていた愛用の高遮音性イヤホン『SHURE SE425』でしたが、遮音性や音質の低下が酷かったうえ内部に結露が生じてBAドライバまで調子が悪くなってしまったので引退させざるを得なくなってしまいました。残念な最期でしたが購入から約5年半、よく頑張ってくれました。
これによって急遽代役が必要になり新たにSE425を買い直すことも考えましたが、モデルチェンジも近いようだし面白みにに欠けるのでお手頃価格ながら評価の高い『SHURE SE215』を購入してみました。
パッケージ
海外メーカーを中心に熾烈なシェア争いが繰り広げられている1万円前後の価格帯のイヤフォン。
将来的に利益率の高いハイエンドな製品群への導入に繋げるべくコストパフォーマンスに優れたモデルが市場に続々投入されていますが、現在のこうした潮流を作ったと言われるのが今回購入したSE215。
付属品はキャリングケース、イヤパッド2種(それぞれS/M/Lの3組)にクリーニングツール、取説・保証書類。
SE215は黒とクリアの2色展開。今回購入したのは黒ですが、ハウジングは半透明で内部ユニットは透けてみえます。
SE215はダイナミック型のドライバーを採用しているのでBA型ドライバーを用いた上位モデルとは内部構造に若干の違いが見受けられますが、ハウジングのデザインや大きさは共通。
SE215はMMCXリケーブル対応。それまでリケーブルは3万円超のハイエンド製品でしか採用されないのが常でしたので、SE215のリリースを知った時にはそりゃ驚きました。これだけで相当にコストかかるはずですからね…。
ダイナミック型と侮れない音
一日かけてエージングを行った後さっそく実戦投入。
先述通り、SE215はダイナミック型のドライバーを採用しているので「ドンシャリ」な音を予想していたのですが、聴こえてきたのはSHUREらしい質実剛健な音。SE425に比べピアノの音の粗雑さや低音の押しが強すぎる感こそありますが、中~高音域のキレや抜けは良好で通常のリスニングに十分なレベル。
一般にダイナミック型ドライバーは小型化すると音質が劣化するなどと言われますが、そのような気配はありません。また、通常ダイナミック型は乾いた音になりがちですが、SE215はしっとりと聞き疲れしない印象。うまいことチューニングしてるなぁ…と感心しきり。
付属のケーブルとの組み合わせでは解像感がイマイチでしたが、SE425でも使用していた『UNCOMMON 3E-OFC』にケーブルを変えたところ驚くほどに改善。このケーブル、SE215との相性良すぎかも。
まとめ
BA型ドライバーを採用した製品に求められるある種モニター的な音ではなく、カジュアルに音楽を楽しむ方向に割り切った製品…というには相当にクオリティは高く、この製品が発売以来高い人気にを誇っていることにも納得。さすがはSHUREです。
あとは国内販売代理店である完実電気のサポートがもうちょっとマシだったら、本当に言うことないんですけどね。