2016年の導入から9年以上に渡って安定稼働しているSynologyの2ベイNASキット『DiskStation DS216play』。先に寿命を迎えた内蔵ハードディスクを一度交換した以外に大きなトラブルもなく新たな障害の予兆もありませんが、予防保全の観点からするとそろそろ買い替え時。
とはいえ、使い慣れたSynology製NASの現行モデルは本体だけで5万円超。今のNASが壊れて使えなくなってるわけでもないですし、単純にファイルサーバとして利用するだけにしては高すぎるし…と購入を躊躇していたところ、某所で未使用のまま放置されていた『DiskStation DS218+』(以下、218+)を運よく貰い受けることが出来ました。
DS218+も発売からそれなりに月日が経過しているモデルですが、もともとビジネスユースも視野に入れた上位グレードの製品なので自宅でファイルサーバとして使うだけにしては勿体ないほどの性能を持ち合わせています。しかも同機はメモリの増設も可能で、Synologyが動作を保証する純正の『D3NS1866L-4G』も併せて頂戴。ありがたい限りです。
記念に新旧NASを並べてツーショット。
入手したDS218+はハードディスクが組み込まれていない状態だったので、DS216playに組み込んで使用していたものを初期化して流用。旧NAS内のデータは「Hyper Backup」でUSB接続の外付けHDDへ定期バックアップしているので、既存のデータはそこから復旧させることにしました。
「Hyper Backup」先のUSB HDDからの復元
Synology製NASで利用可能な「Hyper Backup」機能でUSB接続した外付けのHDDにバックアップを取得している場合、別のSynology製NASへのデータのリストアも容易…な筈だったのですが、日常的にやる作業ではないせいかリストア作業のオペレーションが若干分かりにくく、わたしも恐々の作業だったので後から同じ事で困らないよう手順を残しておくことにします。
まずはリストア先の新しいNASにこれまでバックアップ先として利用していたUSB接続のHDDを繋ぎます。続けて「Hyper Backup」をインストールして起動すると「バックアップ ウィザード」が立ち上がりますが、ここは「×」で閉じます。
左ペインの上方中央にある時計マークの復元ボタンを押して「データ」を選択。
「復元ウィザード」画面より「既存のレポジトリから復元」を選択。
「ローカル フォルダ & USB」を選択。
「共有フォルダ」は接続したUSB接続のHDDを選択(通常は「usbshare1」なはず)。「ディレクトリ」には旧NASで「Hyper Backup」のバックアップタスクで指定していたディレクトリ名がセットされたことを確認して「次へ」を選択。
今回はデータの復元だけが目的なので、「システム構成」は画面では「システム設定を復元しない」を選択して「次へ」。
復元したい対象をディレクトリ単位で選択して「次へ」。
なお、この時復元対象として選択したものはリストア先の同じディレクトリにしか復元できない様子。このため、旧NASで「music」という共有フォルダを作ってバックアップしていた場合、新NASにも「music」という共有フォルダをあらかじめ用意しておかないとうまく復元できないようだったので注意が必要です。
最後に確認画面で内容を確認してから実行するだけ。
「Hyper Backup」でバックアップを取る際は必ず「整合性チェック」しておこう
上記手順で復元は実行できましたが、バックアップデータが一部破損していたようでデジタル一眼レフで撮影・現像したjpegファイルが6個ほど復元に失敗…。幸いRAWファイルが無事だったので再度現像処理を行ってjpegは復旧できましたが、壊れていたのが他のファイルだったら大事でした。
旧NASのバックアップタスクでは「整合性チェック」を省いていたためにデータの破損に気づけなかったようなので、新しいNASでは週次で「整合性チェック」を実施するよう設定しておきました。
折角バックアップを取っていてもデータが壊れて復元できないようでは何の意味もありません。Synology製NASでHyper Backupによるバックアップを実施している方は、「整合性チェック」が有効になっているか確認しておくことを強くオススメします。
最後に
Synology製NASの専用OSであるDSMのバージョンや組み込んだハードディスクのファイルシステム等は新旧で変わりはありませんが、DS218+の方がCPUやメモリなどスペック面に余裕があるのであらゆる操作が快適。一定時間アクセスがなく本体がスリープしている状態からの復帰も早く、ストレスが大きく軽減されました。パソコンや家電の買い替えとは違って目に見える違いや成果は少ないものの、心理面での充足度は大幅に向上しました。
予期せぬ形で手に入れたDS218+ですが、自宅でのデジタルライフを陰で支える存在としてDS216playと同様に長く活躍してくれることを期待します。