嫁が使用しているThinkPad SL300は光学ドライブにDVDメディアの書き込みに対応していない松下製『UJDA782』を採用しており、単独で大きなデータのバックアップが出来ず不便に感じる機会が増えてきたためドライブの換装を計画。当初はバルク品の購入を考えていたのですが、先日よりわたしが使用している『HP EliteBook 8460w Mobile Workstation』に付属するRoxio製のライティングソフト『Secure Burn』が非常に使い辛くこれの代わりとなるソフトもちょうど欲しかったので、それぞれを個別に揃えるよりセットで入手した方が安上がりだと思い『Power2Go』がバンドルされたBuffaloのポータブルDVDドライブ『DVSM-PC58U2V』を購入しました。
『DVSM-PC58U2V』はUSB接続の外付けドライブですが、ノートPCで使われる一般的なスリムタイプの光学ドライブをケースに入れただけ…のはずなので、これを分解しドライブを取り出してSL300で使おうという魂胆。この手の製品では稀に特殊な接続方式だったり独自規格のベゼルを採用したドライブが使われていることがあるので事前に採用ドライブの情報を探ってみたもののメーカーや型式は不明なままでしたが、この製品に限っては価格や本体サイズを考えるとそうした危険は少なそう。分解してみて問題がなければSL300のものとサクっと入替えようと思います。
それではさっそく分解…の前に、このポータブルDVDドライブを購入しようと思われてる方のために簡単なレビューをば。
パッケージの中身はドライブ本体とライティングソフトなどが収録されたCD-ROM、それと簡単な冊子のみといたってシンプル。ケースの表面には傷防止用の保護シールが貼られていました。『DVSM-PC58U2V』という型番の末尾についた”V”はValueを意味するもので、DVD再生用ソフトの添付を省いて価格を引き下げたもの。最近のPCには標準で再生ソフトが付いていることほとんどですから、こうした選択肢が用意されているのは良いことだと思います。
DVD再生ソフトが必要な方はドライブ本体は同一で付属するCD-ROMだけが異なる『DVSM-PCS58U2』(←末尾にVが付いていない)という製品があるのでそちらをチェックしてみてください。
保護シールを剥がしたケースの表面はいわゆるツルテカで指紋が目立ちそう。個人的にはシボ加工の施されたマットな方が好みですが、今回はこれを常用するために購入したわけではないのでまぁいいか。デザイン自体は奇をてらわないシンプルなもので嫌いじゃありません。
PCと接続するためのUSBケーブルはケースに固定されており取り外し不可。本体側面に巻き取って収納できるようになっています。若干ケーブルが短めな感はありますが、ポータブル機器という性質を考えるとこんなものでしょうか。
基本的に最近のPCではUSBの接続は1本だけで充分なのですが、古い端末などではUSB端子からの電力供給が弱いものもあるのでそんなときに使用する補助電力共有用のUSBケーブルが裏面に仕込まれています。こちらも取り外しは不可。
本体表面にはLEDを備えていてUSBからの電力供給が充分なら青色、不足気味なら赤色に発光。先ほどの補助電力共有用のUSBケーブルを接続する必要があるかどうかのバロメータとしての役割を果たしてくれるようです。
さて、それでは本日のメインイベント。『DVSM-PC58U2V』の分解とSL300へのドライブ換装の開始です!
ケースを分解してドライブを取り出すためのネジはうまく隠されて見えないようになっていますがネジは2箇所。どちらも衝撃緩和用のゴムに隠れているので、それを一旦剥がしてネジを外す必要があります。2箇所のネジを緩めて、ドライブのベゼルあたりを摘んでグっと引っぱるとドライブが取り出せます。
1箇所は裏の製品ラベルのすぐ脇。
もう一箇所は側面のUSBケーブルの端子が収納される位置。
出てきたのは予想通りシリアルATA接続による一般的なスリムドライブ。採用されていたドライブは東芝サムスン製の『SN-208BB』。まぁ、悪くないんじゃないでしょうか。
続いてThinkPad SL300側の光学ドライブの取り外し。こちらはSL300を裏返して中央付近にあるネジを1箇所外すだけでドライブを取り外すことができます。
裸の状態の新旧ドライブが揃ったら双方の後端についている取り付け金具とフロントベゼルを入替え。以前、光学ドライブのベゼルはメーカーや機種毎に取り付け方法がバラバラで交換が困難だったのですが、最近は「GBAS」という統一規格が整備されているのでよほど特殊なドライブでもない限りは問題なく付け替えが可能になっています。GBAS規格のベゼルは4箇所の爪で固定されているのでそれを折ってしまわないように気をつけながら交換します。ベゼルに印刷されている機能とドライブの機能が一致しなくなりますが、そこはご愛嬌。
それが済んだら逆の手順で新しいドライブをSL300に挿入して固定用のネジで止めれば作業完了。PCを起動すると自動で新しいドライブが認識されます。
さっそくディスクをセットしてみましたが、以前のドライブに比べて動作音が驚くほど静か!DVDへの書き込みにはプリインストールのライティングソフトRoxio Creatorがそのまま使用できます。うふふふ~、これは費用対効果抜群でした!
一方の空いた『DVSM-PC58U2V』のケースにはSL300から抜いた古いドライブをセット。こちらも当然問題なく動作可能。何かの機会に使えるかもしれませんからしばらくとっておこうと思います。
更新情報(2012-03-29)
リクエストがありましたのでSL300に移植したSN-208BBのトレイをオープンした状態の画像を記事中に追加しました。