先日、新しいモニターの導入したのにあわせてデスクまわりの整理と最適化をすすめていますが、その流れでロジクールの新型フラッグシップキーボード『ロジクール MX Keys Mini ミニマリスト ワイヤレス イルミネーション キーボード (KX700GR)』と新たに採用されたロジクールの次世代のワイヤレス接続技術「Logi Bolt」に対応する専用レシーバー『ロジクール Logi Bolt USB レシーバー(LBUSB1)』を年末新たに調達しました。
11月にリリースされたばかりのMX KEYS miniはフルサイズ版の『ロジクール MX KEYS ワイヤレス イルミネーション キーボード (KX800)』から無用の長物でしかなかったテンキーを省いてコンパクトに再構成しただけでなく、低遅延で安定した接続を可能にする最新の接続技術「Logi Bolt」への対応を図ったロジクールの史上最強のワイヤレスキーボードとなっています。
「フラッグシップなキーボード製品にはどうして邪魔なテンキーが漏れなく装備されるのか?」という純なヘビーユーザーの不満に応えた本製品。その詳細や使い勝手を簡単にレビューしておくことにします。
待望のテンキーレス
『MX KEYS mini』はロジクールのフラッグシップモデル「Masterシリーズ」に位置づけられる製品で、先述の通り「MX KEYS」のテンキーレス版と言える存在。正式な商品名は『ロジクール MX Keys Mini ミニマリスト ワイヤレス イルミネーション キーボード』(型番: KX700)ですが、この記事では『MX KEYS mini』で表記を統一します。
まずはパッケージをチェック。
1万円を超えるフラッグシップ製品なだけあって(?)、エメラルドグリーンを基調とした同社の低価格帯の商品パッケージとは異なり黒がベースの大人っぽいデザイン。
開封するとお上品な紙で丁寧に包まれ保護されたキーボード本体が鎮座して居られます。
パッケージの内容物はMX KEYS mini本体のほか、充電用のUSBケーブル(USB Standard-A to Type-C)、取扱説明書や保証規定などの印刷物など。
MX KEYS miniはペールグレー(≒白)、ローズ(≒ピンク)、グラファイト(≒黒)の3色が用意されていますが、今回わたしが入手したのは定番のグラファイト。
本体サイズは(W)295.99×(H)131.95×(D)20.97mmで重量は506.4g。テンキーが無くなったことで『MX KEYS』より14cmほど幅が短くなっており、大変省スペースに仕立てられています。
背面には電源スイッチとUSB Type-C端子が用意されています。
同梱のUSBケーブルでPCと接続しても有線キーボードとして認識されたりはしませんが、充電しながらワイヤレス接続で使用することは可能なようです。
フラッグシップな製品だけあって外観にも妥協はなく、非常にスマートな印象を受けます。
Logi Boltを用いたペアリング
MX KEYS miniはBluetoothまたは「Logi Bolt ワイヤレス接続用USBレシーバー」を利用した2種類の接続方式に対応しています。
「Logi Bolt」はこれまでロジクール製品で長く採用されてきた「Unifying」の後継にあたる新しい無線技術。両者の間に互換性はなく、コストダウンのため専用レシーバーも別売りとなっているので「取り敢えずBluetooth接続で…」というケースも少なくないと思われますが、通常のBluetooth接続では実現不可能な遅延の少なさと抜群の接続安定性を享受出来るのが最大のメリット。また、Logi Bolt接続であればBIOS画面の操作やBitLockerのPIN入力にも対応出来ることから積極的な活用をおススメします。
ということで、同時に購入しておいたLogi Bolt ワイヤレス接続用USBレシーバー。
MX KEYS miniと違ってこちらは非常に簡素なパッケージです。
Logi Boltの黄色いロゴが施されていたり出っ張った部分の形状に多少の違いはあるものの、サイズは従来のUnifyingレシーバーと大差なく乗り換えの支障になることはないでしょう。
レシーバーをUSBポートに差し込んだら「Logicool Options」を起動して画面の指示に従って進めていくだけ。
最後に画面に表示される数字をキーボードから打ち込めばペアリングは完了。猿にも出来る簡単なお仕事です(多分)。
抜群の使用感
MX KEYS miniは省スペースがウリといっても横ピッチはいずれのキーも19mm。カーソルキーと最上列のFnキーこそ若干縦を詰めてはいるものの、主要なキーは縦ピッチも19mmが確保されています。
本体の剛性が高いので安物のノートPCのようにキーを叩く度にバチャバチャと安っぽい音をたてることもありませんし、適度な打鍵感も得られるあたりさすがはフラッグシップといった印象。キートップに施された凹みの存在が購入前に懸念した唯一の不安材料でしたが、使ってみると意外にも指馴染みが良く思いのほか快適。キーの配列もHPやDellなどのノートPCで採用されるものに近いこともあって乗り換えもスムーズです。
唯一悩んだのがPgUp、PgDn、Home、Endといったキーに代わる操作ですが、これらはFnキーとカーソルキーの組み合わせで動作するよう設定されているようです。
F1~F12のファンクションキーにはアイコンで図示された複数のアクションが割り当てられていますが、「ディクテーションキー」、「絵文字キー」、「マイクのミュート」 といったあたりが用意されているのは今時な感じ。
「ディクテーションキー」はWindows 11に搭載された音声入力機能「ディクテーション」を起動するためのショートカットですが、今回初めてこの機能を使ってみて思いのほか使える印象を受けました。今回はWindows 11のレビューが目的ではないので詳細は省きますが、下手するとPixelシリーズの日本語文字起こしより賢いかもしれません…。
「マイクのミュート」もリモート会議などで重宝しそうですが、これらのアクションが不要であれば「Logicool Options」で無効にすることも出来ますしまったく別の機能に割り当て直すことも可能。
この辺りのカスタマイズ性の高さもロジクール製品ならでは。
ロジクール K380との比較
『MX KEYS mini』を購入するまで一時使用していた『ロジクール K380 マルチデバイス Bluetoothキーボード』との比較写真を参考まで。
キー配列は大きく変わりませんがK380の方がより一層コンパクト。これはK380のキーピッチが18mmしかないことが理由ですが、1mm違うだけで誤タイプが頻発。やはりキーピッチは19mmでないと…と改めて実感した次第。
気になる点
MX KEYS miniには「スマートイルミネーション」と呼ばれるバックライトが搭載されており、近接センサーが手を近づいたことを感知してバックライトが自動点灯、離れれば消灯する仕組みが実装されています。
高級感を感じさせる仕様で最初は感動も大きいのですが、実用性を問われると正直微妙なところ。外付けキーボードなんて普段から持ち歩いて使うような代物ではないのでバックライトが必要なシチュエーションがいまいち思い浮かびません。
「手元が暗い」というんだったら先に『BenQ ScreenBar』あたりを買うのが先でしょ?って感じだし、この手のキーボードを使う人はブラインドタッチが基本でしょうからキーが光ったところで見てないし…。
高級モデルならではの遊び心かもしれませんが、バックライトを省いてもうちょっと安くしても良かったのでは?というのが唯一気になった点です。
テンキーの呪縛から解放されたいなら
キーボードは直接手に触れるデバイスなだけに人それぞれ好みがあって当然ですが、MX KEYS miniはPC歴の長いわたしにとって歴代最高のキーボードといっても過言ではありません。
PCを使用するうえでテンキーがいかに足枷な存在であったかを実感することの出来るお手本のような存在であり、多くの人に一度は使ってみて欲しいキーボードです。
メーカーの都合による最大公約数的な商品開発が優先されがちな現在、テンキーを廃したキーボードは未だ希少な存在ですが、いずれは「ミニマリスト向け」といった特別な位置づけではなくデフォルト仕様になっていって欲しいと個人的には強く願っています。