私が会社で管理しているラックマウントサーバ群の中にあるWindows Server 2003 Enterpriseをインストールしたテスト環境に『Microsoft Virtual Server 2005』(以下、VS2005)を導入して実用に耐えうる性能を有しているかどうかの検証を行いました。
VS2005は実環境(ホストOS)上に仮想環境(ゲストOS)を構築して動かすエミュレータの一種で、1台の端末で複数のOSを稼働させることを可能とするもの。この手の技術で先んじるVMwareに負けじと「Virtual PC」で知られるConnectix社から獲得した仮想マシン技術をもとにリリースされたのが今回試用するVS2005になります。
インストールしたら仮想PCの構成(メモリ量、ハードディスク容量、ネットワークなど)を決め、そこにゲストOSを入れるだけ。手始めにWindows XPを導入してみましたが、コンソールを介してリモート操作するため動きに若干のもたつきを感じるものの思ったよりは軽快に動作してくれています。
で、ここからが本題。
Windowsサーバー上に仮想環境を作って実運用と聞いて、通常期待されるのはLinuxがうまく動くのか…ですよねぇ?ということで、Debian(sarge)の導入にトライ。
仮想ハードウェアの認識も何ら問題なく進み、あっさりとインストール完了。軽く動作確認してみましたが見たところ問題もないようだったので、あとはftpやgcc等の追加インストールを行うだけで開発環境の出来上がり。Windowsをクライアントにする場合と違って、こちらは基本Telnetで操作するので画面描画にストレスを感じることもありません。
これなら全然行けるじゃん!と思ったのも束の間…翌朝、Debianのシステム時間が大きく狂っているのを発見。「インストール直後にNTPで時間あわせを行ったはずだけどな?」と不思議に思いながら改めて同期するも、昼頃には1時間近くズレてる始末。どうやら1分間に20~30秒くらいのペースで遅れが生じてしまっているらしく、これではとても使い物になりません。
VS2005の「ホストの時刻の同期」という設定の影響を疑ってON/OFFしてみるも改善の兆しが見られないので、ネット上に同様の報告がないか検索してみたところ数件がヒット。いずれも解決策を見出すことが出来ず、「止む無く5分間隔でntpdateをかけてる」なんて人も居らっしゃるようでしたがさすがにそれは…(苦笑)。
現状ではVS2005とDebianのどちらに問題があるのか切り分けが出来ていませんが、普通にインストールしたDebianでそんな不具合に遭遇したことはないので何となくVS2005側に問題がありそうな気はしますが…。
VS2005は公式にLinux対応を謳っているようなので、不具合だとすれば早めに回避策を提示してほしいものです。
カーネルの不具合が原因だった模様(2006-01-06)
システム時間のズレは64bit CPU上での2.6系カーネルの不具合が原因だったようです。VS2005さん、疑ってごめんなさい…。
現時点でapt-getできるカーネルイメージは2.6.8-11ですが、この問題が解決されたのは2.6.14以降とのこと。最新のカーネルがget出来るまで待つか、頃合いを見て2.4系カーネルに落として再度挑戦してみようと思います。