Panasonicの液晶テレビ『VIERA TH-L37D2』とデノンのAVアンプ『AVR-3311』をARCが機能する状態で接続しているとテレビを視聴中にAVアンプに電源を入れるだけで入力ソースが「TV」の状態で起動しテレビの音声がアンプ側から出力されるですが、この時テレビ側でも継続して音声が出続けておりエコーな状態に陥ってしまうためビエラリンクの設定で「音声をテレビから出す」なり「音声をシアターから出す」なりを選択して音声出力をどちらか一方に限定してあげる必要があります。
いっそ完全にAVアンプ側に切り替わってくれても良さそうなものなのに不便や仕様やなぁ…などと思っていたのですが、別件の確認ついでにデノンのサポート窓口に聞いてみたところ「その動きはおかしい」との回答。
デノン側でもいくつかのPanasonic製のテレビで検証を行ってみたそうですが、同じ事象が再現されたことから「Panasonic製テレビの不具合の可能性が高いので向こうにも確認をとってみて欲しい」とのこと。その旨をPanasonicに伝えるとやはり「双方から同時に音声が出力されることはないはず」とのことでサービスの人が自宅に状況確認に来られたのですがその場では原因がはっきりせずPanasonicとデノンの双方で改めて調査が行われることになりました。
その後の調べでこの事象はパナソニック製のARC対応テレビとデノン製ARC対応アンプのすべての組み合わせで発生することが確認され、デノンからは「アンプ起動時にARCを開始するコマンドのやり取りを行っているが、その際Panasonic製のテレビは出力先の切替えを行っていない。PanasonicのARCの実装がおかしい。」との報告があったのですが、パナソニック側は「そもそもシアターの電源をオンしただけで、そちらに出力を切り替えるなんて仕様はない。デノン側の実装にこそ問題がある。」と真っ向対立。
両社の担当者間で直接やりとりもあったようなのですが、ARCのあるべき姿としては「接続要求に応じてアンプ側に音声を渡した以上、テレビ側は自分の音声を閉じるべき。」ということでデノン側の主張が正しかった模様。しかし、Panasonic側からは「うちが提供しているのはビエラリンクの一機能としてのARCであって、必ずしもHDMIの標準に準拠しているものではない。」との逃げ口上。今後見直すつもりもないとのことで、これまで通りの不便な運用を続けていくほかないという納得のいかない結末となりました。
う~ん、泣き寝入りとはこういうことを言うんですかね…。