第一線を退いてからはベッドサイドでの音楽試聴用端末として活用しているGalaxy Nexus(SC-04D)。
発売から5年近く経つ同端末はGoogleによるOSアップデートの提供もAndroid 4.3(Jelly Bean)でとうに打ち切られていますが、カスタムROMを代表するCyanogenModは今尚サポートを継続しており先日もAndroid 6.x(Marshmallow)をベースとするCyanogenMod 13のNightlyリリースの提供を始めるなどしています。
Galaxy Nexus向けにGoogleが最後にリリースしたAndroid 4.3の純正ROMでも今の用途からすれば特に支障はありませんが、ネットに繋いでいる以上古いOSのままではセキュリティ面で不安が付いて回るためうちのGalaxy NexusにもCyanogenModを導入してみることにしました。
先述のようにAndroid 6.x(Marshmallow)ベースのCyanogenMod 13も公開されていますがこちらはまだNightly(テスト版)なので、今回は余計なトラブルを避けるべくSnapshot(安定版)として提供されているCyanogenMod 12.1を選択。今回久しぶりにCyanogenModを導入することになったので、備忘録を兼ねてここに手順を纏めておくことにします。
以下に掲載した内容を参考になさる場合はあくまで自己責任でお願いします。個別のフォローは致しかねますのでご了承ください。
事前の準備
端末内に保存されたデータは後ほど消去されるので、事前にPCやクラウドに退避するなどしてバックアップをとっておきましょう。
また、カスタムROMの導入にあたってはAndroid SDKとそれを動かすのに必要なJDKなどの環境をPC側に整えておく必要があるので、「Nexus端末を遊び尽くすための準備」を参考にして準備を済ませておいてください。
必要なファイルの入手
手始めにGalaxy Nexus用のCyanogenModをこちらからダウンロード。
今回は「Stable」(安定版)であるCyanogenMod 12.1の導入を前提に話しをすすめていきますが、執筆時点で「Nightly」(暫定版)として公開されているCyanogenMod 13も実用上支障のないレベルに達しているようなのでより新しい物を希望される場合はそちらを選んでも宜しいかと。
落としたきたファイルはzip形式ですが解凍しておく必要はありません。
続けてOpen GApps。『Playストア』をはじめとするGoogleの純正アプリはライセンスの問題でカスタムROMへの同梱が許されていないため、それらを別途インストールするのに用います。端末のCPUの種類や組み合わせるOSのバージョンに依り入手すべきファイルが異るので注意しましょう。
Galaxy Nexusであれば「Platform」は「ARM」、導入するカスタムROMがCyanogenMod 12.1なら「Android」は「5.1」、CyanogenMod 13なら「6.0」を選択。最後の「Variant」は「pico」を推奨。「nano」以上を選ぶとGalaxy Nexusへのインストール時に「Error Code: 70」(システム領域不足?)で怒られます。
こちらも落ちてくるファイルはzip形式ですが、さきほどと同様に解凍する必要はありません。
最後にカスタムリカバリ。かつて定番だった「ClockworkMod」はしばらく見ないうちに訳の分からない状態になっていた(公開停止?)ので、代わって人気の「TWRP」(Team Win Recovery Project)を利用。こちらも端末毎にファイルが異るのでこちらからリンクを辿って最新イメージを入手しておきます。
CyanogenMod及びGappsの導入
PCとGalaxy NexusをUSBケーブルで接続したら、いずれかの方法で「fastbootモード」に移行します。
- PCからコマンド操作
- コマンド プロンプトより「adb reboot bootloader」を実行
adb reboot bootloader
- コマンド プロンプトより「adb reboot bootloader」を実行
- Nexus端末のみで操作
- 端末の電源を落とします
- ボリュームUp + ボリュームDown + 電源ボタンを同時長押し(Galaxy Nexus以外の端末ではボタン操作が異なることがあります。その際はこちらをご参照ください)
ドロイド君が横たわったイメージが映しだされるfastbootモードの画面が表示されたらブートローダーをアンロック。既にアンロック済みの方は次のステップへ、よく分からない方はとりあえず実行しておいて構いません。
fastboot oem unlock
確認画面が表示されたらボリュームキーで「Yes」を選択して電源ボタンで決定。
続けてTWRPを起動。
fastboot boot twrp-2.8.7.0-maguro.img
メニュー画面から[Wipe]-[Advanced Wipe]と辿り端末内の既存データを削除します。「Dalvik Cache」「System」「Cache」「Data」「Internal Storage」の5項目にチェックを入れて「Swipe to Wipe」で実行。(あらかじめCyanogenModとOpen Gappsを端末内にコピーしている場合は「Internal Storage」は不要)
続けて先ほどダウンロードしておいたCyanogenModとOpen Gappsを端末に転送します。(ファイル名の「X」部分は適宜読み替えて下さい。)
adb push cm-12.1-XXXXXXXX-SNAPSHOT-XXXXXXXXXX-maguro.zip /sdcard
adb push open_gapps-arm-5.1-pico-XXXXXXXX.zip /sdcard
カスタムリカバリ上でファイルの転送がうまく出来ない時は、接続しているGalaxy Nexusがデバイスマネージャ上で「Android Composite ADB Interface」の名称で認識されていることを確認してください。(これに失敗する時は大抵「Android ADB Interface」など誤ったドライバが適用されているはずです。)
メニューに戻り次は[Install]へ。先にzipファイルをコピーした「Download」フォルダまで移動し、CyanogenMod、Gappsの順に「Swipe to Confirm Flash」でインストール。
万一、CyanogenModのインストール途中で「Can’t install this package on top of incompatible data」と出て失敗する場合は、Wipeをからやり直しましょう。
インストールが完了したら[Reboot]-[System]で再起動。CyanogenModが起動します。
Galaxy NexusでのCyanogenMod 12.1の使用感
無事Android 5.1.1(Lollipop)へのバージョンアップが完了したGalaxy Nexus。
元のスペックがアレなうえ長期の使用でNANDもだいぶ劣化が進んでいるので決してヌルサクとは行きませんが、レスポンスは純正ROM使用時と変らない印象を受けます。
カスタムROMではよく問題が起こりがちな無線LANやカメラ、GPSなどハードが絡む機能も問題なく動作。OSバージョンアップでセキュリティ強化に加え、利用可能なアプリの幅も広がって言うことありません。
ただ、CyanogenModでは純正の卓上ホルダ(クレードル)使用時に端末本体のスピーカーから音声出力するための設定がないうえ、卓上ホルダに備えられた音声出力端子も機能しなくなるようなので普段卓上ホルダに本体をセットして充電しながら音楽を聴きたいという場合には…
- Bluetooth接続のスピーカーを使用する
- 本体側面にあるポゴピンとの接点のうち真ん中の1つをテープで絶縁して端末本体のスピーカーから音を鳴らす
などの対応を検討する必要がありますのでご注意を。