先日、嫁の『Nexus 5X』が突如再起動ループに陥ったのでFactory Resetでなんとか復旧させたのですが、その後も動きが不安定なので寿命と判断。
わたしのNexus 5、Nexus 5Xに続き、嫁のNexus 5Xまで2年で駄目になるとはLGタイマー恐るべし。今後Pixelシリーズが日本展開されることがあっても、LGが製造したものであれば買うのはやめておいた方が良さそうです…。
愚痴はさておき。現端末が完全に沈黙してしまってからでは嫁も何かと不便でしょうから今のうちに代替となる製品を手配しておくことにしたのですが、最近はSIMフリー端末も選択肢が増えて悩ましい限り。嫁は電話とカメラ、ハングアウトくらいしか使わないのでコストパフォーマンスを優先したエントリーモデルに絞って検討した末、先日発売されたばかりの『Huawei Nova Lite 2』を購入。
Nexusからの乗り換えなので素のAndroidに近いMotorolaの『Moto G5s Plus』あたりも検討したのですが、メインカメラ回りの特徴的なデザインはどうにも女性受けが悪いらしく、残る候補の中から最低1ヶ月のOCNモバイルONE契約との抱き合わせながら9,000円ほどで販売されていたNova Lite 2に決めました。
このところFBIやCIA界隈を賑わせているHuaweiの製品ですが、大した情報は取り扱わないので何ら問題はないでしょう。(笑)
Huawei Nova Lite 2のざっくりレビュー
パッケージは既存のHuawei端末と同様に白基調のシンプルなもの。
中にはNova Lite 2本体のほか、充電用のUSB-ACアダプタとmicroUSBケーブル、保護ケース、マイク付きイヤフォン、SIMピンそれに クイックスタートガイドが収められています。
通常25,000円程度の価格帯の商品ながらイヤフォンや保護ケースが添付されてるあたり、口を開けば「コスト、コスト」ばかりの日本企業には真似の出来ない芸当でしょう。
今回入手したのは本体色「ブルー」。メタル筐体の質感とよくマッチした落ち着いた色合いで、汚れや指紋が目立ちにくく手触りも良好。
最近はホームボタンを兼ねる形で前面に指紋認証センサーを設けた端末が多いようですが、NovaシリーズはGoogleのリファレンスに沿った形で背面に配置。サポート保証期限を迎えたNexusシリーズからの乗り換えを検討している方にとっては最も違和感の少ないレイアウトであるといえるでしょう。
カメラは1300万画素+200万画素のデュアルレンズ(ダブルレンズ)方式を採用しており、背景をぼかしたり撮影後にフォーカス位置を変えられる「ワイドアパーチャ機能」を実装している模様。Huaweiはカメラの性能を積極的にアピールする割りに画質はたいしたことがないケースが多いのですがNova Lite 2はいかに。
充電/通信用のポートはmicroUSB。この辺でType-Cを採用する上位機種との差別化を図っているのでしょうが、身の回りの充電環境が統一出来ず不便を強いられる点には若干納得のいかないものを感じます。この辺は未だmicroUSBが主流の中国市場に合わせているのかもしれません。
Nova Lite 2はSIMカードの2枚挿しに対応しており、うち一方(SIMスロット2)はMicroSDカードとの排他使用。…とここまではHuawei Novaなどの上位機種と同じですが、デュアルスタンバイ(同時待ち受け)には非対応。設定画面で逐一切り替えながら使うのはあまり現実的ではないので、SIMスロット2は実質MicroSDカード用と割り切った方が良さそうです。
電源を投入し、初期設定を終えてホーム画面を表示。
OSはAndroid 8.0をベースに最新のEMUIを載せたHuaweiらしいスタイル。従来と同様に設定でドロワー表示に変えてることも可能。FacebookやInstagramなどのサードパーティー製アプリがいくつかプリインストールされていましたが、大半はアンインストール可能でした。
液晶ディスプレイは5.65インチ。流行りの18:9の縦長なアスペクト比を採用しており解像度は2160×1080(約427ppi)。発色も良く視認性も良好です。
一通り触ってみましたがレスポンスはかなり良好。わたしが使っている昨年の上位機種『Huawei Nova』と性能面では同レベルと見込んでいたのですが…折角なので両者を比較してみることにしましょう。
Huawei Novaとの性能比較
まずは『Huawei Nova』と『Huawei Nova Lite 2』のスペックの違いを押さえておくことにします。
Huawei Nova | Huawei Nova Lite 2 | |
---|---|---|
国内発売日 | 2017年2月 | 2018年2月 |
製造業者 | Huawei | Huawei |
ディスプレイ | 5.0インチ IPS方式 1920 x 1080 | 5.65インチ IPS方式 2160 x 1080 |
SoC | Qualcomm Snapdragon 625 (MSM8953) | HiSilicon Kirin 659 |
CPU | Cortex-A53 (2.0GHz x8) | Cortex-A53 (2.36GHz x4 + 1.7GHz x4) |
GPU | Adreno 506 | Mali-T830 MP2 |
RAM | 3 GB | 3 GB |
ストレージ | 32 GB | 32 GB |
OS | Android 6.0 → 7.0 | Android 8.0 |
前面カメラ | 800万画素 | 800万画素 |
背面カメラ | 1,200万画素 | 1,200万画素 + 200万画素 |
Wi-Fi | 802.11 b/g/n (2.4GHz) | 802.11 b/g/n (2.4GHz) |
Bluetooth | 4.1 LE | 4.2 |
外部ストレージ | MicroSD (最大 128 GB) | MicroSD (最大 256 GB) |
指紋認証センサー | ○ | ○ |
加速度計 | ○ | ○ |
コンパス | ○ | ○ |
ジャイロスコープ | ○ | × (疑似ジャイロは搭載) |
光センサー | ○ | ○ |
近接センサー | ○ | ○ |
バッテリー容量 | 3,020 mAh | 3,000 mAh |
ポート | USB Type-C | microUSB |
サイズ | 141.2 x 69.1 x 7.1 mm | 150.1 x 72.05 x 7.45 mm |
重量 | 146 g | 143 g |
1年落ちとはいえ『Huawei Nova』は「Lite」の付かない上位モデルだし…とタカを括っていたのですが、ジャイロスの有無とポートの違い以外ほとんど優位性のない状態。いや、むしろ負けてるかも…(苦笑)。
これを踏まえてベンチマークを実施。まずは定番のAntutu (バージョンは7.0.4)から。
左がHuawei Novaで右がHuawei Nova Lite 2ですが、「3D[Marooned]」と「3D [Coastline]」でかろうじてHuawei Novaが勝っているもののトータルではHuawei Nova Lite 2の圧勝。
続けてGeekbench 4。
こちらはマルチコア性能でこそHuawei Novaが上回ったものの、シングルコアではHuawei Nova Lite 2に軍配。
エントリー機は伸びしろの大きいとはいえ、1年でここまでスペックアップするとは驚きです。これで実質15,000円っていうのですから…ズルイわ。
カメラの画質には期待しない方が良い
1300万画素と200万画素のデュアルレンズを採用してカメラ機能へのコダワリを見せるNova Lite 2。先述の通り、Huaweiは自社端末のカメラを積極的にアピールはするものの実際使ってみるとたいしたことがないというケースが多く額面通りには受け取れません。
で、さっそく数枚試写してみましたがカメラに関してはやはり及第点に遠く及びません。日中屋外で普通に撮る分にはNexus 5Xよりも自然に映りますが、室内など光量が不足する場所ではまるで使い物になりません。暗所ノイズが酷いですし、時折ソフトウェア補正が暴走(?)してポスタリゼーションが施されたかのような二次元作品に…。まさに「なんじゃこりゃ」です。
ウリであるデュアルレンズによるボケ味の調整幅もそれほど広くないですし、ボケ方がわざとらしすぎて素人目にも「加工してんな…」というのがよく分かります。
この辺はメーカー毎の技術の蓄積がモノを言う部分でしょうから、中国系の新興メーカーはやや苦手とするところなのかもしれません。
まぁ、普段使いに支障はないでしょうが提灯記事を信じて購入すると悲しい思いをすると思います。
総評
『P10 lite』や先代の『Nova Lite』に続きHuaweiが送り込んできた最新のコスパモンスター『Huawei Nova Lite 2』。
カメラの写りやUSB Type-Cを採用しなかった点、Huawei製の端末全般で広く指摘されているバイブの振動の弱さなどには不満もありますが、エントリー機というには勿体ないほどの基本性能を有しているため大半のケースでストレスなく使用することが出来るはず。今年の上半期にオススメのSIMフリー端末を尋ねられたらとりあえずこれを推すと思います。
Huawei Novaのレビューの最後にも同じようなことを書いた気がしますが、この値段でこれだけの商品を出されたら他のメーカーは太刀打ち出来ないよなぁ…。
顔認証とARレンズ機能が追加される模様(2018-03-08)
『Huawei Nova Lite 2』にインカメラを利用した顔認証機能と、ARレンズ機能を追加することが発表されました。
顔認証は先行したiPhone Xでもその精度や実用性が疑問視されていますが、新しい技術を積極的に取り込もうとする姿勢は評価に値します。
ただ、Huaweiは初代Novaに於けるセキュリティアップデート等の対応を発売から半年ほどで止めてしまっており、サポート体制に疑問が残るのは確か。そこも踏まえたうえで賢い端末選びが求められそうです。