先日国内販売が始まったMotorolaの最新スマートフォン『Moto G7 Plus』を入手しました。
これまで使ってきた『Huawei Nova』は購入から1年半ほどしか経っていませんが、米中貿易戦争に端を発したAndroidの供給停止騒ぎとは関係なしにアップデートの提供が止まってしまってしまい不具合が放置されたままだし、安物のNANDが使われていたせいかだんだんフリーズが酷くなり最近はかかってきた電話にすら出れない事もあったので止むに止まれず買い替えを決断。
かつてNexusシリーズの端末を愛用していただけに当初『Pixel 3a』も考えたのですが、今時スマホに5万円払うのは馬鹿らしいですし「急に電源が落ちる」などの不具合が多数報告されているようなので今回はパス…ということで他の候補を検討する中で浮上したのがMotorola。
Motorola製の端末は前回買い替え時にも検討したものの、当時販売されていたMoto G5は電子コンパス非搭載でUSB Type-Cへの対応も遅れていたために見送った経緯があります。しかし、スマートフォンの進化が一段落しスペックの画一化が進んだ今となっては同じ価格帯の商品であれば仕様の違いはきわめて限定的ですし、一開発者として素のAndroidに近いOSを維持し続けるMotorolaの姿勢に共感を覚えるところもあり先日リリースされた『Moto G7』シリーズの中から最上位のMoto G7 Plusを購入するに至った次第です。
Moto G7 Plus開封の儀
どーでもいいよと仰る方も居らっしゃるとは思いますが、将来使わなくなって知人に譲渡したり売り払ってしまう際に同梱品は何で箱の中にどのように収められていたかを確認するのに結構重宝するんだもの…ということでまずは開封の儀から。
鮮やかなカラーリングが施されたMoto G7 Plusの化粧箱。
蓋を開けると液晶面に保護シールが貼られた本体がお目見え。
本体には透明な専用ケース(ジャケット)があらかじめセットされた状態で、その下にUSB Type-C to Type-Cケーブル、USB ACアダプタ、イヤフォン、SIMピン、マニュアルなどのその他付属品が収められています。
ケースを外して外観チェック。
Moto G7 Plusは「ディープインディゴ」と「ビバレッド」の2色で展開されており今回入手したのは前者。いわゆる「濃紺」ですが光沢処理が施されているので光の当たり方によって随分と雰囲気が違って見えます。
これまでのMoto Gシリーズは指紋センサーを前面に備えていましたが、Moto G7シリーズでようやく背面に移され使い勝手が大きく改善されています。モトローラの「M」のロゴが指紋センサーになっていて取って付けた感もありません。
カメラは最近の流行りに倣って1,600万画素+500万画素のデュアルレンズ仕様となっています。光学式手ぶれ補正を採用しており、ソフトの介入による画質の劣化も最小限に抑えることが出来そう。レンズ回りのデザインは好みの分かれるところだと思いますが、Motorola社製端末のアイデンティティなのでそこは慣れてもらうほかありません。(苦笑)
本体下部にはUSB Type-Cポートとイヤフォンジャック、スピーカー。
Bluetooth対応デバイスの使用を前提としてイヤフォンジャックを廃した端末も増えてきましたが、やはり音質や手軽さを考えると有線に優るものはありません。
本体右側に電源ボタン及びボリュームボタン、上部にSIM&MicroSDカードスロットが用意されています。
付属のSIMピンでSIM&MicroSDカードスロットを引き出し手持ちのSIMカードをセットしてセットアップを実施。
セットアップの手順は従来のAndroidから大きく変わっていないので戸惑うことはないはず…ですが、Android 9にはネットワークの詳細設定の中に「非公開ネットワーク」なる項目が追加されておりこれを「はい」にしないとステルス(ブロードキャストしない)で運用されているSSIDに繋げない模様。これに気付かず1時間近く無駄にしてしまいました…。これからAndroid 9に触れられる方はご注意を。
起動後のホームとアプリ一覧の画面はこんな感じ。
ノッチ付きの端末を手にするのは今回が初めてなので最初は違和感がありましたが、影響が及ぶのは通知エリアだけだしすぐに気にならなくなります。ちなみに、ノッチ付きの端末でスクリーンショット撮ったらどうなるんだろう…と思っていましたが、上記イメージの通りノッチは無かったことになるみたい。
液晶は癖のない素直な発色で写真の扱いも捗りそうです!!
スペックとパフォーマンスの確認
それではMoto G7 Plusのスペック確認とベンチマーク測定を行って参ります。比較対象として2年ほど前の平均的なスペックを備えたHuawei Novaの情報も併記しておくので参考まで。
Moto G7 Plus | Huawei Nova | |
---|---|---|
国内発売日 | 2019年6月 | 2017年2月 |
製造業者 | Motorola | Huawei |
ディスプレイ | 6.24インチ IPS方式 2270 x 1080 | 5.0インチ IPS方式 1920 x 1080 |
SoC | Qualcomm Snapdragon 636 (SDM636) | Qualcomm Snapdragon 625 (MSM8953) |
CPU | Kryo 260 (1.8GHz x8) | Cortex-A53 (2.0GHz x8) |
GPU | Adreno 509 | Adreno 506 |
RAM | 4 GB | 3 GB |
ストレージ | 64 GB | 32 GB |
OS | Android 9.0 | Android 6.0 → 7.0 |
メインカメラ | 1,600万画素 (f/1.7 1.2μm) + 500万画素 光学式手振れ補正 | 1,200万画素 (f/2.2 1.25μm) |
前面カメラ | 1,200万画素 (f/2.0 1.25μm) | 800万画素 (f/2.0 ??μm) |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac (2.4/5GHz) | 802.11 b/g/n (2.4GHz) |
Bluetooth | 5.0 | 4.1 LE |
センサー | 指紋認証, 加速度計, ジャイロスコープ, コンパス, 近接センサー, 環境照度センサー | 指紋認証, 加速度計, ジャイロスコープ, コンパス, 近接センサー, 環境照度センサー |
バッテリー容量 | 3,000 mAh | 3,020 mAh |
インタフェース | USB Type-C, イヤホンマイクジャック, MicroSD (最大 512 GB) | USB Type-C, イヤホンマイクジャック, MicroSD (最大 128 GB) |
サイズ | 157.0 x 75.3 x 8.27 mm | 141.2 x 69.1 x 7.1 mm |
重量 | 172 g | 146 g |
Moto G7 Plusが採用するSnapdragon 636は昨年出荷された多くのミドルレンジ機で用いられたSnapdragon 630の後継チップ。CPU性能の向上は勿論、UFSにも対応しているのでストレージのアクセス速度にも期待が持てるやも?…ということで、定番のAntutuの実行結果から。(Ver 7.2.2を使用)
Moto G7 Plusのスコアは11万を超えるくらいでこれぞ「ミドルレンジ」といった感。経年による極端な性能劣化などがなければ、この先2年は十分に使っていけるだけの性能は備えています。
続けてGeekbench 4。(Ver 4.3.4を使用)
Huawei Nova(Snapdragon 625)の方がスペックシート上のCPUクロックは上ですが世代の違いなどもあるのでしょう、実際の性能はMoto G7 Plus(Snapdragon 636)が大きく上回っています。
スマホの進化もひと段落したため2年でダブルスコアをつけるほどの性能向上はさすがに望めなくなってきましたが、この程度の性能向上があれば十分に違いを実感出来ると思います。
メインカメラの画質
昨年、一眼レフで撮影した写真をさもスマホで撮ったものであるかのように見せかけた広告の実情がバレて某社が炎上してましたが、これは何も特別な事例ではなくかの業界では当たり前に行われていることのよう。
大々的な広告や提灯レビューを使って「一眼レフに迫る高画質!!」などと大々的にアピールしているにもかかわらず、実際使って見ると「なんじゃこりゃ」と唖然とさせられる製品が溢れるこんなご時世ゆえ、カメラの性能については実際に商品を購入した一般ユーザーの作例を見るの以外に手はないと思います。
取り敢えずWBやノイズの出方を確認するためお試しで撮ったものの中から差しさわりのないものを掲載しておきます。
設定はデフォルトのまま何ら弄らずに撮影。ホワイトバランスや露出もオートのままですが現実との乖離が少なくコントラストは自然。夜間撮影は引きの画だとノイズやピントの甘さが気になりますが、街中で撮影する分には何の問題もない感じ。
拡大してみると一部JPEG圧縮時に生じたと思われるブロックノイズが出てはいるものの、暗所ノイズの程度も含め許容範囲。…というか、スマホのカメラでここまで撮れるのは結構凄いかも。(Huawei端末のカメラの酷さに慣れてしまって自分の中で基準がおかしくなってる可能性が少なからずありますが…苦笑)
光学式手振れ補正の効果は感覚で1段分くらい?でしょうか。若干追随が緩慢な気がしなくもありませんが効果は絶大です。夜間や室内撮影に於いてはきっと役立つ場面もあることでしょう。
総評
米中貿易摩擦を受けた対抗措置によりファーウェイの勢いが削がれた中、ミドルレンジ市場の主役に躍り出ることも予想される『Moto G7 Plus』。
スペック面では最新SoCを採用し、NFCも搭載するなど押さえるところはしっかり押さえてきた印象。これで実質3万円台というのですからなかなかの驚きです。
着信を示すLED(着信ランプ)が搭載されていないなど粗削りなところもありますが、過去そうした不満を地道に解消してきたMotorolaだけに今後の展開も含めて期待したいですね。
色違い(ビバレッド)をおかわり(2020-02-07)
嫁用に『Moto G7 Plus』を追加購入。色は艶やかな深紅のビバレッド。
これまで嫁が使っていた『Huawei Nova Lite 2』は購入からセキュリティアップデートもまともに配信されず、プリインストールされたHuwawei独自のダイアラやカレンダーアプリにも不具合が多く事あるごとに面倒を見なきゃならないわたしの方から匙を投げさせてもらいました。Huawei端末はスペックの割にお買い得感が高いのは事実ですが、安いものには安いなりの理由があるわけです。(それでも、国産メーカーに比べればいくらかマシですが。)
Moto G7 Plusは「Android Enterprise Recommended」認証を取得しているので少なくとも発売から2年は安心して使うことが出来ます。基本ピュアAndroidな環境なので、以前Nexusを使用していた嫁もこちらの方が使いやすいようですし。
もう少し待てばMoto G8シリーズの声も聞こえてくるはずですが、その時はその時で…。